(技術の)結晶のしかた [余談]
WiredVisionの世界のユニークな橋:画像ギャラリーと云う記事を見た。
いや、最近のエントリのコメント欄での対話ともかかわってくる部分かとも思うんだけど、その時代の最高水準の技術をもとにつきつめた合理性によってつくられたものって、結果的に独特の異形を獲得して、それが一種凄みのある美しさにつながる、と云うことがあるように思う。
ところでこの記事で、大昔にロバート・ベンチリーの「橋の不思議」と云う文章を読んで腹を抱えて笑ったことを思い出したのだけど、この馬鹿エッセイの翻訳を収めたアンソロジーはいまは絶版なのだなぁ。めずらしく胸を張ってアフィリエイトを貼れると思ったのに残念(いや貼ったって売れやしないんだけどね)。
いや、最近のエントリのコメント欄での対話ともかかわってくる部分かとも思うんだけど、その時代の最高水準の技術をもとにつきつめた合理性によってつくられたものって、結果的に独特の異形を獲得して、それが一種凄みのある美しさにつながる、と云うことがあるように思う。
ところでこの記事で、大昔にロバート・ベンチリーの「橋の不思議」と云う文章を読んで腹を抱えて笑ったことを思い出したのだけど、この馬鹿エッセイの翻訳を収めたアンソロジーはいまは絶版なのだなぁ。めずらしく胸を張ってアフィリエイトを貼れると思ったのに残念(いや貼ったって売れやしないんだけどね)。
タグ:工学
リンク先の説明にもありますが、これは「家橋」と謂うもので、中世ヨーロッパでは橋の上に建築物を造るのは当たり前のことだったそうです。今でもヨーロッパ各地には中世から残る家橋が幾つか残っていて、橋の上に店を構えるのは一種のステータスシンボルだったそうです。
また、住居や店舗以外では城郭や庁舎なんかが建っている橋もあって、こちらはむしろ建物の一部に橋があると謂う感じですかね。教会や修道院なんかもよく造られていたそうで、中世ヨーロッパには橋梁修道会と謂うものがあって、高度な土木技術を持った修道士たちが社会事業の一つとして橋梁建設に携わっていて、その関係で宗教施設がよく造られたみたいです。
この種の家橋と謂うのは、「マディソン郡の橋」に出て来るカヴァード・ブリッジ(屋根付き橋)とはちょっと違うみたいですね。
by 黒猫亭 (2009-07-02 12:53)
> 黒猫亭さん
スライドショーの最初にある家橋からは、このエントリで書いたような感慨はあまり出てきませんね。
これ、でもあとづけで橋の上に家を建てたケースもあっただろうし、そうなると(当時の技術による)強度計算の枠からはみ出てfalling downしてしまったケースもそこそこあったのではないかと。
このエントリに書かれたような感覚は、むしろ2つ目以降のスライドに出てくるハイテク橋梁のほうがふさわしいかな。
ひどく横道に話をそらしますが、うちからちょっと行ったあたりに、ぼくのこころのふるさと的な横丁があって。2本の通りを戦後建てられたバラックが改修を受けつつ囲んでいて、当然ながら耐震基準なんかは満たしていない(なので再開発の話がなにかと持ち出されて、その都度ぼくなんかは青ざめる)。でも、このバラック群、砂地のうえに建っている関係上結果的に免震構造になっていて、じっさいにはえらく地震に強いそうです(去年の宮城県内陸地震の直後にそこに出ている友人の店に行ったら、棚のものひとつ落ちなかったとか云ってました)。こう云う妙な結果オーライも可笑しくていいです。
by pooh (2009-07-02 22:03)