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思い入れの機械 [motorcycle]

カナダのグレアム島(ハイダ・グアイ島って報道もある)に漂着した山元町のハーレー・ダヴィッドソンについて、何か所かで記事が公開されている。NHKの記事は漂着のバイク 米メーカーが修理へと云うタイトル。

ぼくはハーレーは持ってないし乗ったこともないので、見ただけでモデルまではわからない。エンジンの外見と報道されている排気量からツインカム88搭載のモデルらしいこと、S&Sのエアクリーナーと社外品っぽいタンクがついているのでまぁフルノーマルではないらしいこと、ぐらいしかわからない。カナダまで流されたんなら錆のかたまりになっていてもおかしくないなぁ、みたいに思っていたけれど、映像を見るかぎりそうでもないみたい。

多かれ少なかれオートバイとオーナーの関係はそうなんだけど、とりわけハーレーのオーナーは、オートバイを自分の人格の構成要素としてみなす傾向が強い。古いハーレーが新車よりもむしろ高価だったりするのも、その顕れだったりする(こんな仙台みたいな田舎でも、ショベルヘッドぐらいは走っている。もう30年も前のエンジンなのに)。ここのところはまぁ、ハーレー自身がそう云うビジネスを行なっている、と云うこともあるわけなのだけれど。
このオートバイについて、製造したアメリカのハーレー・ダビッドソンは、日本に送って無料で修理したうえで横山さんに届けようとしていることを明らかにしました。
ミルウォーキーの判断としては、だからこれはビジネス上も当然の対応。ただ、逆にそれを当然の対応としてしまうようなビジネス上のスタンスはそれはそれですごいことで、結局のところこのスタンスがめぐりめぐって、日本国内でのハーレーの好調な売上につながっている。
オーナーは仮設住宅暮らしで、ハーレーの置き場もない。なので(フジテレビのニュースによると)購入元のショップが保管場所を買って出てきているらしい。ここも、ぶれのない対応。

ビジネス、と云うと、なんだかあまり綺麗な印象を与えないけれど。
でもこれは、ハーレーに関わるひとたちが、自分たちが「なにをつくって、なにを売っているのか」と云うことをとてもよくわかっている、と云う話なのだと思う。鉄のかたまりを、ひとのこころの受け皿として提供すること。

# ところで震災関連ではハーレー・バイカーのかたがたもたくさん動いてくださったのだけれど、ハードテールで被災地を走るとお尻が心配だなぁ、みたいに思ったりしていたのは余談。
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OSATO

このニュース、地元ローカルでも大きく取り上げられていましたね。オーナー本人にインタビューしたりして。
あのバイクですが、積んでいたコンテナごと流されてそれが漂着したんですね。でなきゃとうに沈んでますし。↓
http://hashigozakura.wordpress.com/2012/05/01/%EF%BC%9C%E4%BB%8A%E5%BA%A6%E3%81%AF%E5%AE%AE%E5%9F%8E%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%83%90%E3%83%BC%E3%81%AE%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%81%8C%E3%82%AB%E3%83%8A%E3%83%80%E3%81%AB%E6%BC%82%E7%9D%80/
でもあのメーカーの対応には嬉しくなります。
まあたとえ企業イメージアップの一戦略だとしても、アメリカ人のハーレーというバイクに対する思い入れが感じられますね。
僕は素直に「いい話」として受け取りたいと思います。
by OSATO (2012-05-04 12:54) 

pooh

> OSATOさん

> 僕は素直に「いい話」として受け取りたいと思います。

そう云う云われ方をすると、なんかぼくが素直じゃないような(^^;。

いや、関連のいくつかのエントリを読んだりすると、「こう云う対応ができないようだと、そもそもまず全米のハーレーオーナーが許さない」「こう云う対応もできないようだったら、おれの店ではもうハーレーを売らない」みたいな声もあったりしてですね。
だからへんな話、これは「当たり前」の対応、だったりもするんです。

で、この津波がカナダやアメリカの西海岸に起きたことだとして、仮に日本の海岸に日本製のバイクが流れ着いた、と云う話だったとしたら。
たぶんカワサキもホンダもヤマハもスズキも、おなじような対応をすると思うんですよ。オートバイ、と云うのはそう云う乗り物ですし、そこがわからないとほそぼそとでも商売はやっていけない、そう云う話なんだと思います。
by pooh (2012-05-04 13:30) 

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