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定義 [よしなしごと]

小飼弾さんの科学=永遠のβ版と云うエントリを読んだ。

菊池教授との議論において弾さんの発した意見には首肯し難いものが多かったし、多分それはいま意見を伺っても同じだろう。でも、このエントリにおける定義は見事だと思う。

永遠のβであること。これは科学の唯一にして最高の福音である。

Elegant.


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コメント 2

柘植

こんにちは、pooh さん。一つだけ理解して欲しいことがあります。

「科学=永遠のβ版」という定義には異存はないのです。そして、β版は様々に改良され、様々な部分が付け加わってより完成品に近づいて行くわけです。ただ、理解して欲しいのは、β版を変えていくのは「試行錯誤」そのものではなくて「試行錯誤の結果得られた、錯誤でないヒット部分」だということなんですね。多くの人が、そのヒット率というものを誤解している様に見えるわけです。ヒット率が1/3とか1/5で、一つの試行に要する期間が1時間とかだったら、試行錯誤を増やすことがヒットを増やすことになるので、「どんどん試行錯誤しましょう」という訳ですね。ところがヒット率が1/100くらいで、一つの試行にかかる期間が3年くらいだと、気楽に「試行錯誤を増やしましょう」ではなくて「ヒット率を上げるために工夫しましょう」という流れができるわけです。実は、それが科学的思考方法とか、科学的探求方法という事に思えるわけです。

100の「思いつき」に対してそれぞれ3年の試行をすると、10人の人が30年間かけて、ヒットは1つです。もしも、「過去の経験をよく学んでみたら、50個はやるまでもなく錯誤だな」と50の「思いつき」を棄却するなら、5人の30年でヒットは1つです。「一日程度でできる簡単なフィージビリティテスト」を考案して残りの50個のうちの40個を「可能性無し」と棄却するなら、1人の30年でヒットが一つです。「1ヶ月程度掛けてもう少し詳しく可能性を探る」事で残りの10個のうちの7個を棄却するなら、1人の10年でヒットは1つになり、1人の研究者が30年の研究人生で3つくらいはヒットを生み出す事ができるわけです。

科学的思考方法というのは、実のところ「生み出す」機能よりも「棄却する」機能を中心にできている面があるわけですね。
by 柘植 (2007-03-20 08:10) 

pooh

> 柘植さん

これ、osakaecoさんのところで提示されている「自由試行錯誤」に関連するお話だと受け止めましたが、間違っていないですよね?
(ごめんなさい。自分の読解にちょっと自信がない)

以前書きましたが、本来学問における権威と云うのは、その部分のシステム化だったと思うんですよね。どうにもずれた使われ方(用語ではなく)と機能し方が一般化してしまっているのが現状である、ということはあるかもしれませんが。
by pooh (2007-03-21 04:40) 

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