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主張する位置 [よしなしごと]

月田陽三さんの大停電を選択する社会にしたくないと云うエントリを読んだ。
このエントリに先立つものとして、代案なき反対から人は離れる厳寒の北海道と今の自分を他人事にしないと云うふたつのエントリが書かれている。

強い主張、社会に大きな影響を及ぼす内容を持つ主張は、往々にして多くのものを切り捨てたうえで成立するものでもある。逆に云うと、切り捨てたものを鑑みてもなおかつ意義のある内容を持っていてはじめて、その主張は価値を持つ。だから、主張をする場所に立つときには、自分の主張がなにを切り捨て、なにを重んじるものなのか、を理解している必要がある。そこにどのような大義があろうと、どれほどの善意にもとづいていようと、その主張の価値にどれだけの確信を持っていようと、どれだけ多くのひとたちの支持を得ていようと。
必要なのは、その主張の持ちうる強さに引き合うだけの知識と、想像力。

ぼくたちの知識は乏しい。自分の持つ専門性以外の部分で、この世界がどんなふうに動いているのか、は学ばないとわからない(学ぼうとしても、たぶんそこには限界がある)。

ぼくたちの想像力は乏しい。自分のこと、自分の周囲のことはわかっても、そこより遠い場所のことは想像できない(そのへんはこちらのエントリでも書いたとおり)。

それでもぼくらは、得られうる限りの知識と持ちうる限りの想像力を動員して、自分自身の主張を鍛えなければならない。このことから自分で自分を免責した瞬間に、おそらくそれは主張ではなく、放言にすぎないものになってしまう。だれかのために、と云う意義を失った、自分自身のためになされるだけのものに。
ぼくの主張は、そしてあなたの主張は、そこで切り捨てられたことがら、切り捨てられたひとたちの上に立って、なおそれでも意義を持つものなのだろうか?

とても有名なことばなので、翻訳はしない(ほんとはスペイン語がわからないだけだけど。邦訳は検索すればいくらでも見つかる)。とりわけおのれの主張や行動を革命になぞらえようと思うのなら、このことばの(ひどく厳しい)意味を意識してほしい、と思う。だれが語ったか、ではなく、なにが語られているのかを。
Sobre todo, sean siempre capaces de sentir en lo mas hondo cualquier injusticia cometida contra cualquiera en cualquier parte del mundo. Es la cualidad más linda de un revolucionario.
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