バンクーバーオリンピック フィギュアスケート女子SP

フリーが終わって結果が出てからではあんまりのーてんきなことが書けなくなりそうなので、この時点でちょっと書く。
と云うかゲデヴァニシヴィリ・エレーネはおいら4年前から目をつけてたんだからおまいらいまごろ騒ぐんじゃねぇ。悔しいのでクァク・ミンジョンにいまからつばつけとく（いやこの先この選手がどうなるかはさっぱりわかんないんだけどね）。

…とか云うことだけが云いたいだけのエントリだったり。

今期のSPはそれほど好きじゃない（音楽の編集が気に入らない）んだけど、真央は見事だった、と思う。ただまぁ、キムさんが1位なのはまぁ納得ではあるかなぁ。これほどの点差が出るほどの優劣があったとも思えないけど、真央の3A-2tよりもヨナ・キムの3lz-3tのほうが基礎点も高いみたいだし（ってのをつれあいに教えてもらった。このへんはアンサイクロペディアで勉強すべきなのかも）。

ミライ・ナガスはぼくの思ういいところ（ってのは随所に現れるポジションの美しさ）が全開だったかな。ラウラはもっと点数が出てもよかったかも。カロリーナは今期いちばんの演技ではあったけど、まぁこんなものかな。安藤さんは…もっといけたかもなぁ。
で、キムさんのあとであの演技ができる鈴木明子のハートの強さ（って云い廻しはふつう格闘家に使うんだけど、まさにそのままのニュアンスで）にはちょっと感動。

で、出場選手のなかで桁違いに重いバックグラウンドを背負って滑ることになってしまったジョアニーの、たぶんこれも今季最高と云ってもいいだろう演技に、ちょっくら感動しちゃったりしたのだった。

タグ：フィギュアスケート

コメント 12

こんばんは。
安藤ファンとしては、既に私は冷静さを失っています（笑）。
ちょっと今は何を書いても「新しい採点基準に対する批判」になってしまいそうなので多くは書きませんが、私が見た限りでは目を覆う様な失敗をした選手はいませんでしたので、それだけは良かったと思います。
なんて書くと綺麗事に響くかもしれませんが、私の裡にはライバルのミスを願う感情も確かに存在しています。その事を自覚しているからこそ敢えて綺麗事を書いている、というのもあります。うまく表現できませんが。
by PseuDoctor (2010-02-26 00:33) 

> PseuDoctorさん

新採点基準とその運用についてはぼくも思うところはありますが、とりあえずSP終了時点での安藤さんの点数と順位は、まぁ妥当なものかとも思っています。残念ながら同じ3-3でも、着氷後の流れなんかを見た場合に、キムさんのそれは安藤さんを大きく凌駕している。
ポイントは今日なんですが…何度も書いている通り、ぼくは多少矛盾した気持ちを安藤選手の演技にいだいています。順位はともかく、あの手負いの肉食獣の、凶暴でつややかな表情が見たい。勝ちに行く安藤選手が見たい。

> 目を覆う様な失敗をした選手はいませんでした

これ、ものすごく大事です。
今日もできれば、オリンピックの魔物に囚われる選手がでませんよう。
by pooh (2010-02-26 07:48) 

巷で言われている陰謀論的なものがどのくらい真実に近いのかは知る由もありませんが、「キム・ヨナが普通にやれば金メダル取れる」というお膳立てが整ってしまっていることは確かなので、この大会に関してはキム・ヨナと比べてどうこうということは考えてもしょうがないんだろうなーというのが今の気持ちです。

選手のみなさんがそれぞれ持っている輝きをどれだけ見せてくれるのかを楽しもうと思っています。

by Cere (2010-02-26 12:10) 

オリンピックの魔物に囚われたのは，コストナー。

個人的印象では，

ショートでちょっと残念だったコルピ，鈴木が建て直して頑張った。
マカロワ，レピスト，ナガスの印象が強い。特にナガス。心臓に毛が生えている？
フラット，安藤，キムは印象が薄い。ミスは無いけど，物足りない。
マイアー，レオノア，ちょっと残念。
で，浅田。自分で言っている。「演技自体はミスがあったので納得はしていない」・・・たいしたもんだ。

ロシェット。え～と・・・。


あ，Factorが1.6じゃなくて2.0の採点がいくつかあるね。

(敬称略)
by TuH (2010-02-26 16:52) 

> Cereさん、TuHさん

すみません、きっちり観てからお返事しますね。ちょっとお待ちいただくことになるかもしれないですけど。
by pooh (2010-02-26 21:16) 

> Cereさん

ただ思ったんですけど、（得点はともかくとして）ヨナ・キムのふつう、と云うのはやっぱりぜんぜんふつうじゃないんです。観る側の麻痺がいくらかそこにある、と云うのはあるような。

結果的に、すばらしい大会になったと思います。細かく云えば残念な部分もある選手もいたわけですけど。
by pooh (2010-02-27 08:27) 

> TuHさん

カロリーナに限って云えば、魔物のせいなのかどうか微妙な部分も(^^;。

未来ちゃんはすばらしかった。「国のため」とか云うど腐れたことばを背負わない強み、もあったと思います。レペゼン、の意味を勘違いしちゃいけないし、勘違いした余人が無駄に仮託するのもまちがってる。

> 「演技自体はミスがあったので納得はしていない」

真央ですからね、本音だと思います。そこが変わらない彼女のすごさでもあって。
by pooh (2010-02-27 08:31) 

確かに「普通に」と書いてしまうと簡単なことのように読めてしまいますね。あれが普通、という状態になっていること自体がすごいことだし、あの状況で普通に演技することが非常に難しいことであったことは間違いないことです。

ただやっぱりひっかかるのは「（得点はともかくとして）」の部分なんですよね。キム・ヨナの演技はあまりにも現行のルールと運用に最適化されすぎているように僕には見えます。

あの演技にたどり着くまでに非常な努力があったことは間違いありませんが、「正解」を知らずに臨んでいたならその努力のあり方はずいぶん違っていたのではないかと思います。たとえば浅田真央が「鐘」のあの演技にたどり着くまでにずいぶんな試行錯誤を経なければならなかったように。

キム・ヨナ陣営が「正解」を知っていたというのは僕の邪推ではあります。もしそうだったとしても、そのこと自体が不正だというつもりもありません。

ただ思うのは、オリンピックでの点数だけを見て「結果を分けたのは完成度の差」なんて薄っぺらい言葉でまとめられてしまうスポーツ選手っていうのは因果な商売だなあということです。
by Cere (2010-02-28 01:11) 

> Cereさん

採点についてはいろいろ議論もされているし、ぼくもそうとう考えたり、邪推をしたりした部分ではあるんです。多くのひとが語っているので、ここでは繰り返しませんが。

ただ、つれあいとこのへんのことを話していてすこし納得したのは、オーサーと比較して、タラソワはあまりにも勝つための（おっしゃることばを借りれば）「最適化」の努力が欠けていたのではないか、と云う部分で。

いちばん才能のある選手の演技に、いちばん難しいことを限界まで詰め込めば勝てる。ロジックとしては間違ってはいません。
ただ、戦略としてはただの力ずくですよね。ひどくリスクが高い。結果として（別エントリで書いたように、プログラムとして他の追随を許さない水準まで至ったとは思っていますが）「鐘」はオリンピックまでには完成しなかった。
これはつれあいの意見なんですが。トリノのときに荒川静香が直前にタラソワのもとを離れ、モロゾフにコーチを変更したのはなぜか、と云う話とも、ひょっとするとつながってくるのかもしれません。

スポーツとしてどちらがあるべき姿なのか、と云う議論はもちろんある。今年ジェーニャが突きつけたイデオロギー闘争はそこにフォーカスしたものでした。ただ、なにをいちばん優先するのか。
近い時期に引退を念頭に置いているらしいヨナ・キムと、ソチまでを視野に入れている真央の、それは違いなのかもしれませんが。

> 薄っぺらい言葉でまとめられてしまう

表面的なわかりやすさに比して、じっさいにはあまりにも激しく、複雑な競技なんですよね。素人なりに何年か真剣にみていると、そのあたりがだんだん痛感されます。
by pooh (2010-02-28 05:14) 

この競技(?)は，札幌で「転倒したのに6点満点」を見た時点で，「そういう種目なんだ」と思いました。
「見せる」ということに関しては，やっぱりヴィットのカルメンを見たときは衝撃でしたね。ヴィットは開拓者でした。
by TuH (2010-02-28 12:43) 

> TuHさん

そう云う部分をなくすための新採点方式、だったはずなんですけどね。
このへんの話、「観る側」としては難しい。

ヴィットさまが現役のころは、いまみたいに「書く」と云う角度から分析的に観ることはあんまりなくて、ぼんやりうっとりと観てるだけでしたねぇ。
by pooh (2010-02-28 13:02) 

上で「タラソワの戦略ミス」的なことを書いたけれど、それは違う、と云う説得力のある主張をしているエントリを読んだので、こちらからリンク。
http://sakinko1981.jugem.jp/?eid=354

個人的な結論としては、えぇと、わかりません(^^;。
by pooh (2010-03-02 21:41)