SSブログ

批判の切り口 [よしなしごと]

tonmanaanglerさん(なんかお呼びしづらいIDだな)の言霊とミカン(その3)と云うエントリを読んだ。

インテリ揃いのはてなーの皆々様方におかれましては、もっぱら「疑似科学」問題として捉えられておいでのようでありますが、それ以前に「道徳」としてどうよ?って俺なんかは思うわけであります。
目立たないかもしれないけど、そう云う角度からの批判も以前からあるんですけどね(ここでもしてるけど、今回はあらきけいすけさんの「水からの伝言」はいじめであると云うエントリにリンクしておく)。
と云うかきくちさんとかapjさんとかなんかは、そう云う切り口からの批判をすると「科学者は科学的方面からの批判だけをしろ」とか云われたりして来てるわけなんですけど。ニセ科学にまつわる問題はおっしゃるような部分も内包していて、どっちの側面からの目配りも大切、と云う点については、議論に一定期間コミットしている論者ならほとんど同意するんじゃないかな。
正直ぼくなんか、道徳教育として江本勝氏の言説を授業で取り上げたりしたら、取り囲んで「死ね」と云う言葉を浴びせかけたり、全身に「ばかやろう」って書いた紙を貼りつけたりするいじめがクラス内で流行るんじゃないか、みたいにも考えたりするのだけれどね。

あ、およびでない? こりゃまた失礼しました。
タグ:ニセ科学
nice!(0)  コメント(8)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 8

どらねこ

こんばんは。
青いビンを探して思わぬ罠に捕らわれてしまった私です。

この事例に対しては様々な感想が出るのは当然で、此方の批判も彼方の批判も至極まともなモノに思えます。
結果を予測しているからこそ、という視点にも「なるほどなぁ」と、感想を覚えました。
私の興味はこの教師が取ったかも知れない無意識の行動に興味がありました。二重盲検の意味ですね。
自分であれば、どちらかと謂えば汚いビンに悪くなって欲しいみかんを。そして、悪くなって欲しいみかんはなんとなく傷んでいるモノを入れると思います。
自分がこんな実験(?)を小学校で実際にやるとしたら、内心はものすごくビクビク、毎日不安だと思います。

by どらねこ (2010-02-24 22:24) 

pooh

> どらねこさん

いや、視点は複数あってしかるべきものです。そうじゃないと、あぶなくて批判の場所にも立てないし。

> この教師が取ったかも知れない無意識の行動に興味がありました。

どうやったってバイアスは回避できない状況ですよね、これって。

> 自分がこんな実験(?)を小学校で実際にやるとしたら、内心はものすごくビクビク、毎日不安だと思います。

なんかですね、なんらかの確信が得られないと試せない種類の実験だと思うんですよ(一発勝負だし、目論みどおりにいかないと、信頼の喪失と云う教師としてはいちばん望ましくない帰結に至るだろうし)。そこまで賭けてやるかな、と云う不思議さは感じます。
by pooh (2010-02-24 23:33) 

HIGASHi

信頼の喪失は大きいですねぇ。
それを教えてしまって、「間違いでした」といいにくいと思うのです。
特に教員という立場では・・・。
なぜかというと、私は教育というものは「ある種の権威」だと考えるのです。
力と言い換えましょうか・・・。
「力」であるならば、そこに等しく責任が存在するわけで、その重みを考えると・・・・子供たちの頭脳に知識・体験として刷り込まれるその結果に対して、「教師として責任が取れるのか」という、単純で明快な問題が起こるはずなのですが・・・。さらに
単独教員が行うのであれば、問題行動の一例ですが、
もし教育委員会がやるとしたら、組織的な力であり、反対論が組織内から出るという事はないのかな・・また、それが圧殺されることがあるかもしれないこと自体に「組織的誘導のような恐怖」を感じます。
by HIGASHi (2010-02-25 12:10) 

TAKA

なるほどです。確かに、「すでに何年も前から道徳の問題として水伝を捉えていた人々が存在する、これまでも散々道徳的な議論を重ねている、しかし事情を知らない人は、そんなの関係ない、だから微妙にずれた発言をする人が居ても仕方が無い」ということは、了解しました。
しかし、今回のミカン騒動に道徳的な見方で言及したtonmanaanglerさんも、またリスペクトしてあげるべきではないでしょうか?

なにしろ、私が過去に目撃したニセ科学批判批判的な意見といえば、「余計なお世話です、心の持ちようまで指図するのは筋違いです、あなた方は科学の事だけを語れば良いのです」という感じだったのです。

他にも、「ニセ科学批判は衒学的に相対です」とか、「そんなことは専門家の科学者に任せておけ、他の者は黙って見ておれば良い」とか、「私の好きなマイナスイオンをディスリスペクトする者は、無視リスト行きだ!」という感じの人も見かけました。

さらには、「愛の言霊パワーを封印した限定商品をわずか10万円で!などと勧められても、私は冷静に判断できますよ、そんな低レベルな詐欺師の言葉に騙される人なんて、この世に居るわけが無いんですよねえ(^-^?」などと言う人も、ネット上には住んでおられると思います。
それに比べれば、結構なことだと思います。
by TAKA (2010-02-25 17:14) 

pooh

> HIGASHiさん

いらっしゃいませ。

教育に権威は必要なものだと思います。
で、その権威の源泉は、教えているこどもたちをはじめとする社会からの信頼に基づく委譲ですよね(このへん、もっと精緻な議論が必要なんだろうとは思いますが、原則)。そこに充分留意しないと、職業そのものが成り立たなくなってしまう。

> 「組織的誘導のような恐怖」を感じます。

このことがありえない、と云い切れない事例が、じっさいにありますからねぇ。
by pooh (2010-02-25 21:50) 

pooh

> TAKAさん

> すでに何年も前から道徳の問題として水伝を捉えていた人々が存在する

今回あらきけいすけさんのエントリにリンクしたのは、そう云う意味合いでした。なにしろほぼ、ここがオープンするのとおなじくらいの時期に書かれたものですし。

> 今回のミカン騒動に道徳的な見方で言及したtonmanaanglerさんも、またリスペクト

あぁ、これには同意します。tonmanaanglerさんのご意見には、以前より示唆を受けるべき部分が少なからずある、と思っています。
ただ、「そういう角度は存在しますよ(ご存じなくてもしかたないですけど)」「ニセ科学の問題ははてな以外でも語られてますよ」みたいなことが書きたかっただけです。

問題は複合的で、多数の切り口が存在します。どの切り口がもっとも重要か、と云うのは一概に云えないので、ニセ科学の問題に対する捉え方も一様ではない、と云う話です。
by pooh (2010-02-25 21:53) 

HIGASHI

みかんや水に言葉が伝わらないのは、分かりきっていることとして(いいのかな?)、それよりも気になるのが、
教師個人や組織が、どういうプロセスで、そういうことを教えるに至ったか・・・ということに関心があります。教師本人の人となり・趣味趣向・生活信条・交友関係・履歴・・・職場の構造や人間関係や力関係・・・。(きりないか・・・。)
こうなると精神分析医や臨床心理の世界もしくは社会行動などの学問のようですが、ひょっとしたら、ニセ科学の問題は、この方面でのサポートの方が必要なのかも知れないと思うのです。というのも、私は、いつも非科学的な飛躍にすがりつく、弱い個人の姿が見えるような気がするのです。
それと・・・みかんや水伝がまかり通る日本の学校に必要なのは、ディベートと議論の時間かもしれません。思索と検討・・・そして反論・・・その繰り返し。AかBかという二元論ではなく、ABC・・・という混沌の中で自主判断を磨いてゆく訓練です。いつの世の中でも混沌であると思います。それを前提に判断力を磨く訓練が日本ではなされず、上意下達的な知識を与える授業ばかりでは、こういう「非論理」状態になるのも無理はないと考えるのです。

おそらく、人の心がある限り、途中の思索をすっ飛ばし短絡的なものにしがみ付くことは、いわゆる「業」見たいな物で、時代が進もうがどうしようが、ずっと変わらないものだと思うのです。巧みな迷信はいつの世でも存在するものでしょう。迷信はいつの世でも巧みであり、時代の旬を取り入れ、もっともらしいものですから。都市伝説「人聞きみかん!」・・・。なんか安いホラー映画が撮れそうです。
by HIGASHI (2010-02-25 23:38) 

pooh

> HIGASHIさん

> ひょっとしたら、ニセ科学の問題は、この方面でのサポートの方が必要なのかも知れないと思うのです。

その部分はあると思います。と云うか、この議論においては、以前から教育学方面の知見のプレゼンスがとても小さいことが気になっています。
このへん、黒猫亭さんと教師でいらっしゃるfilinionさんの議論と云うのもあったんですけどね(ぼくは身近に学童もいない、ちょっとリアリティの薄い状況にあるので、コミットはしませんでしたが)。
http://kuronekotei.way-nifty.com/nichijou/2008/10/post-801a.html
http://d.hatena.ne.jp/filinion/20081026/1225027151

> いわゆる「業」見たいな物で、時代が進もうがどうしようが、ずっと変わらない

これも、ぼくがずっと思っていることと同じですね。こちらのコメント欄にいらっしゃる技術開発者さんとおっしゃるかたは、「人間の基本仕様」と云う用語をお使いになっています。ぼくは「呪術」と云うことばを使う場合が多いです。こんなふうに。
http://schutsengel.blog.so-net.ne.jp/2008-05-01
by pooh (2010-02-26 07:38) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました

関連記事ほか

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。