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目的と成果 [よしなしごと]

こちらのエントリで、ニセ科学フォーラム2009での左巻健男教授の講演についてhietaroさんのニセ科学フォーラム2009の話その2と云うエントリから孫引きさせてもらったけど、そのレジュメを左巻さんご本人がご自分のところで教育界とニセ科学(ニセ科学フォーラム2009)の左巻健男レジメと云うエントリをたてて公開されている。

ここのところホメオパシーがらみのエントリをあげることが多くて、そちらの関係で「ニセ科学を継続的に成立させるビジネスモデル」みたいな部分を考えてみたりもした。
もともとぼくのニセ科学問題に対する関心の中心は「それが望ましくない商法に結びつくから」と云う部分ではなくて(もちろん、だからそこはどうでもいい、と云う話にはならないけれど)、あまりそう云う角度から考察したことはなかったと思うんだけど、いずれにせよある営為がそれなりの規模で継続的におこなわれる以上、そこにはなんらかの収支のモデルがある、と云うのはまちがいないわけで。NPOにしろ宗教団体にしろ、それなしで存続するのは難しいのと同じで、ビジネスモデルが確立しているからいいの悪いの、と云う話には直接にはならないのだけれど、少なくともそこからはいくらか「目的」みたいなものは見えてくる可能性はある。

左巻さんも言及しているけれど、いま時点でニセ科学の問題を取りざたするにあたって対象とされる事柄の多くに対して、そのビジネス的な側面から取り上げた著名な著作にこちらがある。

カルト資本主義 (文春文庫)

カルト資本主義 (文春文庫)

  • 作者: 斎藤 貴男
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2000/06
  • メディア: 文庫

個人的にはこの本自体も、著者のバイアスに無防備・無警戒な読み方をしてしまうとけっこうまずい部分がでてくるんじゃないか、みたいに感じるのだけれど、とりあえずある伏流みたいなものの存在を追求している、と云う部分では意義のある書物と云えるのかな、みたいには思う。そしてその伏流のうえによって立つ教育も、経営管理も、どうやら実際に存在しているらしい、と云うのはぼくの場所からも見える。

 “愚民教育”は、この20年余続いてきた「ゆとり」教育の“隠された”目標でも

あった。そういう教育行政の流れと一体化してTOSSは、教員をも愚民化してきたと

言えないでしょうか。愚民教員は、子どもを効率的に管理し、教祖の思うことを

効率的に注入する教育しかできないのです。この改善の必要性こそ、「水伝」授業

がもたらしたことなのではないでしょうか。

左巻さんのエントリにあるこの結語は、教育の現場にじっさいに関わってきた経験から発されたものだろうし、だからその現場に居合わせたことのないぼくからすると全面的に肯んじることはできないのだけど(わからないからね)、ともかくもそういった目的に「水からの伝言」をはじめとするある種のニセ科学がじっさいに使えるもので、また使われている、と云う現実が存在する、と云うことまでは確かだと思う。
タグ:ニセ科学
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