SSブログ

ホメオパスさんご用心 [よしなしごと]

ホメオパスとアロマセラピストを目指していらっしゃるらしいArbolvitaleさんの科学的根拠と云うエントリを読んだ。
結局、私たちは科学という名のもとでしか全てを信じられないのだろうか
そんなことはないと思いますよ。「これは科学で証明されてます」と云われると、ともかくも信じようと思うようなかたはけっこういらっしゃるようですが。
信じてはいけないものなのだろうか
科学については信じる、信じない、と云う問題ではないですし、科学的でないから信じてはいけない、と云うことはまったくないと思います。
研究結果や数値が全てだとは、思いません、いえ、思えません
だれもそうは云わないでしょう。全てだなんて。科学者だって云いませんよ(信仰を持っている科学者も珍しくないですし)。

科学的根拠をもとにしないと訴えられると言われている人もいました



かなり直観&感覚人間の私としては耳がいとおございます

科学的根拠をもとにしない医療行為が、即座に訴えられる、と云うものではないと思います。それが科学的根拠があることを詐称していれば別ですが。
ただ、医療行為の結果が思わしくなかった場合には訴えられるリスクがあります。これは通常の医療でも代替医療でも同様です。この場合、処置が適切であったとの判断が下されなければ有罪になります。その医療行為に科学的根拠がないと、適切な処置であったと云う判断が下される可能性は当然低くなります。例えば通常の医療が必要な症状を、ホメオパシーによって治療しようとしていた場合、とか。
ナイチンゲールも看破していたようにホメオパシーは効きません。それそのものにはリスクもベネフィットもありません。なので、通常の医療を受けるのに支障のない範囲で用いるのはたぶん問題ないのでしょう。効果のないものをなんのために用いるのかは問わないとしても。
科学的に証明したとして、されたとして、私の中のアロマやホメオパシーの位置づけは変わることはないでしょう
それがたぶんおっしゃるような、信じる、と云うことなのでしょう(アロマテラピーとホメオパシーをいっしょにすると、まじめにアロマテラピーを研究していらっしゃるかたはたぶん気を悪くすると思いますけど)。ひとがなにを信じるのかはもちろんそのひとの自由ですが、その自由は身ひとつにのみ許されているものである、と云うのを忘れずにいていただけるといいな、と思います。
科学というものが存在しなかったいにしえの時空に感謝
そう云うArbolvitaleさんご自身の生活が、しっかりと科学に支えられていることは自覚されたほうがいいのではないでしょうか。いまぼくたちが、自然の脅威による生命の危険にあふれた日常を送らずにすんでいるのは、科学がそれを支えているからです。このことは、だれにとっても他人事ではないのです。それは空気のように日常のなかにあるので忘れてしまいがちですし、あらためて感謝することもあまりないですけれど。
nice!(0)  コメント(22)  トラックバック(1) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 22

ちがやまる

「科学」とは何か、自分(たち)にとってどういう意味があるのか、という問いより先に、すでに元記事の方にとって動かせない決定がされているんですね。「『セラピスト』になること。」なろうとしている「それ」はどういうもので、なろうとしている自分はなぜそれを求めているのでしょうか。
そこ、があやふやである事と、「科学」と自分や自分がやろうとしている事との関係があやふやである事とにつながりがるように思えます。
by ちがやまる (2009-09-17 09:51) 

うさぎ林檎

こんにちは。

ホメが科学的に否定されるのは仕方がないことです。科学の土俵に乗ろうとしているのはホメの方なんですから。他の色々なものと同様に科学の基準で図る必要があります、特別扱いは許されません。その結果(200年間ずっと)効果が認められていないと言うことは、「科学」的には効果が無いんです。それを認めるしかありません。

私はホメが存在することまでは否定しません。個人的には必要性を感じませんが、疾病の予防・治療以外であれば適応可能なケースもあるでしょう(NATROMさん仰有るところの消極的容認の範囲で)。ならば何故ホメが否定されるのかと言えば、それはKumicitさんの記事にもあるようにその将来を閉ざしているのはホメオパス達自身だからです。

今現在、私たちが享受している生活の便利さは、「科学」の厳しいルールの中で生き残り、積み上げられたものの結果です。私は「科学」は集団で生きていくための約束事の一つではないのかと思うんですけどね(そう言う意味では宗教も同じ)。
by うさぎ林檎 (2009-09-17 11:15) 

技術開発者

こんにちは、poohさん。

>科学的根拠をもとにしないと訴えられると言われている人もいました

>科学的根拠をもとにしない医療行為が、即座に訴えられる、と云うものではないと思います。それが科学的根拠があることを詐称していれば別ですが。

というか、医師以外のものが医療行為をやれば医師法違反ですね(3年以下の懲役)。医療行為をしなくとも、承認された薬以外のものについて薬効を謳えば薬事法違反(3年以下の懲役)。薬効を謳わなくても営業所以外の場所で、その効能について科学的根拠無しに効果を謳えば、特定商取引法違反(2年以下の懲役)。営業所で謳っても景品表示法違反(排除命令等)。

なんていうかな、どんな仕事でも、その仕事をやりたいなら、それにまつわる法律くらいは熟知しなきゃならないものなんですよ。会社に勤めてあてがわれた仕事をするなら、そんな部分は担当者がやってくれるけどね。それができないならもセラピストなんてなる資格がもともとないというだけでしょ。


by 技術開発者 (2009-09-17 16:56) 

Jem

いやはやまぁ。
ひさしぶりに「ファッション馬鹿の女」が書く文章を読みました。
近頃巡回ルートが固定化してて、冒険しなかったツケがきた気分です。
さて、口直しはkikulogにしようか、NATROMさんのとこにしようか。
by Jem (2009-09-17 21:50) 

pooh

> ちがやまるさん

> 動かせない決定がされている

その根本に、「信じる」と云うことに対するなんと云うか、称揚、みたいなものがあるんだと思います。信じることの価値を信じている、みたいな。
ほんとうの意味で信じることは、あやふやさを容認することとイコールではない、と思うんですけどね。このへん「善意」をめぐる議論にもつながってくる部分があるような。
by pooh (2009-09-17 21:52) 

pooh

> うさぎ林檎さん

> 科学の土俵に乗ろうとしているのはホメの方なんですから

ここの部分はどうなんでしょうね。実際には土俵に乗ることを回避しているような気がします。と云うか「土俵を割ったら負け」と云うルールを否定して、相手を「大相撲教徒め、角界至上主義者め」とか云ってるような感じも受けます。野見宿禰の時代には土俵なんかなかった、土俵なんてしょせん人間のつくったものだ、とか。

> 「科学」は集団で生きていくための約束事の一つ

そう云う部分もあるでしょうし、ぼく個人は「個人性のぶれを吸収して認識を共有するためのとても便利なメソッド」みたいに考えています。
by pooh (2009-09-17 21:53) 

pooh

> 技術開発者さん

> 医師以外のものが医療行為をやれば医師法違反ですね

あぁ、ぼくもちょっと不注意な書き方でしたね。ただここで医業類似行為、とか書いちゃうと通じづらくなっちゃうしなぁ。

> その仕事をやりたいなら、それにまつわる法律くらいは熟知しなきゃならないものなんですよ。

その法律に関わる部分を小手先の言い回しで逃げる、と云うのが一般的にとられがちな手法だったりするんですけどね。ただ、その行為自体の責任からまでは逃れられない、と云うことを認識してもらえれば、みたいに思います。
by pooh (2009-09-17 21:54) 

pooh

> Jemさん

このへんのオサレ系のものいいとか、ロハスとか、よしもとばななとか、なんか「マニュアル世代」とか云われたぼくなんかと同世代の連中が宿痾のごとく抱えている性向のような気もするんですよねぇ。いや、当時から自分の世代に感受性的に排斥されてきたぼくが云うのはなんですけど。
by pooh (2009-09-17 22:06) 

Jem

あらら。リンク先の記事が削除されてます。
by Jem (2009-09-18 07:14) 

pooh

> Jemさん

おやおや。
代わりに、寅子先生に一生ついていきます、って云うエントリがあがってますね。承知のうえとは云え、伝わらないもんだなぁ。
by pooh (2009-09-18 07:26) 

うさぎ林檎

おはようございます。

トラコパシー信者ならそれはガチのビリーバーってことですよ、相手が悪い(笑)。

>ここの部分はどうなんでしょうね。実際には土俵に乗ることを回避しているような気がします。

・会長(怪鳥ってATOKが変換しましたよ、わかってんな)がADHDの児童を治癒したことが”英国学術誌”に出ました→”Homeopathy Intenational”とか。
・アメリカ国立がん研究所では、ホメオパシーが脳腫瘍の治療に有効であることを認めた→アメリカ国立がん研究所(NCI)じゃなくて、所属組織の癌代替医学事務局(OCCAM)とか。
・京都の学術大会(別名サバト)で「ホメオパシーの科学性とその症例」をテーマに、ホメオパシー医学がいかに科学的根拠に立脚した学問であるかについて実際の症例と分析の発表が行われました。→とか。

「乗ろうとしている」は控えめすぎる表現で、もうすでに乗ってることになってるんじゃないですかねぇ。
by うさぎ林檎 (2009-09-18 09:38) 

pooh

> うさぎ林檎さん

> ガチのビリーバー

それならそれで、消さなくてもいいのに。揺るがない、んでしょうから。

> もうすでに乗ってることになってるんじゃないですかねぇ。

いや、そちらのほうがわかりやすい、と云うのもあるような気がします。要するにシンプルにいんちきだ、と云うことになるので。

医療に関する問題の悩ましい部分と云うのは、それがいちがいに科学の側面から論じられる問題ではない、と云う部分にあるわけじゃないですか。だから、「科学的にでたらめでも効果がある(ことがある)ならいいじゃないか」みたいな言説に一定の説得力が生じるわけで。

ただ、科学的でない、と云うのは、共有が困難である、客観的な評価が困難である、と云うことでもあるわけです。医療が根底に科学的な手法を置く必要がある、と云うのは、このあたりがその理由になると考えています。信じるとか信じないとか、そんなことで左右されない手法が、医療には求められるわけですから。
by pooh (2009-09-18 22:12) 

Jem

消えてしまったのは、たぶんアドレナリン全開状態の戦闘モードで私がコメントしたからだと思います、はい。
(つい最近、仕事がらみでユニセフ募金の手伝いをしたばかりだったので。)
貴女が夢見ている「『科学』がなかった頃の時空」では、子どもはバタバタ死んでいた。今だって、マリでは5人に1人の子どもが5歳になる前に死ぬ。私がマリで暮らす母親だったら、「レメディ基本24種セット」なんてものよりも「次亜塩素酸カルシウム20キロ」を送って欲しいと思うだろう。(バンコクでは喉が渇いたお子さんに飲ませる安全な飲み物はあるの?)って、つい。。。
ごめんなさいゴメンナサイ。ぬるく見守るべきでした。
by Jem (2009-09-19 08:58) 

pooh

> Jemさん

ありゃりゃ、そうでしたか。

いや、べつに消すなら消すでかまわない、と思うんです。思考停止の意思の明確な表示でしょう。
この種のカジュアルな「善意のひと」に、そう云う生き方をしてらっしゃるかたは珍しくないです。自分と異なる環境で暮らしている母親のことなんて、想像したくもないんですよ。
by pooh (2009-09-19 10:25) 

Jem

「カジュアルな『善意のひと』」
いい表現だわ。(すくなくともわたしの「ファッション馬鹿女」よりずっと洗練されている。)
今後使わせてもらいます。
by Jem (2009-09-19 22:59) 

pooh

> Jemさん

善意、と云うのが有効に機能するためには、なんと云うか疑われ、鍛えられる必要があると思うんですね。で、有効に機能しない善意ほど哀しいものはないんですよね。

昔こんなん書きました。
http://schutsengel.blog.so-net.ne.jp/2006-12-09
by pooh (2009-09-20 06:29) 

pooh

> 織田さん

いらっしゃいませ。

この種のかたはたくさんいらっしゃって、そのなかでもじっさいに自分の主張を信じていらっしゃるかたと、割り切ってお仕事として主張してらっしゃるかたはいると思うんですよ。そこを見分けるのはかならずしも簡単とは云えない。おっしゃるかたがどちらなのかもわかりません。
ただ、ホメオパシーに関しては根本的な原理が呪術なので、受け手が主張の中身をちゃんと理解すれば、そうそう簡単に「信じる」と云うことにはならないと思うんですよ。ぼくが基本的に受け手側にフォーカスすることが多いのは、そこが理由です。
by pooh (2009-10-22 22:24) 

うさぎ林檎

おはようございます。

ご指名見たいな気もしますので、少しだけ。
”ホメオパシーの”とエクスキューズしているもののご自分を”医師”と名乗ったり、アトピーを”診ている”(診療と同義)と書いたりされてますね。
日本の法律をよくご存じないみたい(シンガポールではOKなんですかね)ですので、お身内の方は注意された方が宜しいでしょうね、医師の方らしいですからよくご存知でしょう。

なんだか志村の”押すなよ”みたいですね。
by うさぎ林檎 (2009-10-23 10:04) 

pooh

> うさぎ林檎さん

善意であれ、あることを主張し、ひろめていこうと考えるなら、遵法と云う側面にはより注意深くある必要がある、みたいにも思うんですけどね。
by pooh (2009-10-23 22:45) 

織田

> poohさん

歓迎ありがとうございます。

なるほど。しかしながら、ホメオパスには何故故にこの種の人間が多いのだろうか。しかも「なるほどね、知らなかったー」の情報で責めるものだから、受け手側もすんなり主張を信じてしまう。ってことは、結局、受け手側は主張の中身を理解してないということですね。だからバニラ「医師」から「処方」された砂糖玉も、「薬」だと思って服用してしまうのですかね。

> うさぎ林檎さん

ご登場ありがとうございます。

シンガポールでバニラ師のブログの読者は、私以外は恐らくバニラ師の信者なので、法律云々には関心がない。関心があったら今頃信者をやめているはず。

遵法は勿論、「世の全ての人に 健康であって欲しいと こころから願っています」と言うのであれば、癌やアトピーの患者を砂糖玉で治療するのは、いかがなものか、と思うのです。

シンガポールの法律については、調べてみます。
by 織田 (2009-10-24 18:20) 

pooh

> 織田さん

人間は信じたいことを信じてしまうものじゃないですか。だから、相手が信じたいことを「科学的事実だ」と詐称するのは、手段としては有効だ、と云うのがまずあるんだと思います。
by pooh (2009-10-25 06:06) 

pooh

投稿者よりコメント削除の依頼がありましたので、対応しました。
by pooh (2009-10-29 22:20) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1

トラックバックの受付は締め切りました

関連記事ほか

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。