類似≠類感、なのだけれど [余談]
GIZMODEの脳細胞画像と宇宙構造画像が似すぎている件と云うエントリを読んだ。
いや、まぁ、似てることもあるだろうさ、以上のものでは本来ないんだろうけど。
昨今は脳科学者を名乗る人間でもなんか類感に頼った言説をしたがる手合いが見受けられたりもするので、よけいなこととか思いつつもちょっとばかり不安。
いや、まぁ、似てることもあるだろうさ、以上のものでは本来ないんだろうけど。
似すぎている...偶然の一致でしょうか、それとも...そう云うことを書くと要らん類感呪術を働かせる手合いが出現するぞ(いやたんなる類感呪術ならまだいいけど、それが「科学の研究成果にうらづけられた」とか云いだしたり)。
昨今は脳科学者を名乗る人間でもなんか類感に頼った言説をしたがる手合いが見受けられたりもするので、よけいなこととか思いつつもちょっとばかり不安。
確かに似ているには似ていますが、
(ミクロからマクロまでの)<物質>世界の構造は、類似的な構造になっている、とも云えるので、少しも不思議ではありません。
一種の「フラクタル」(部分と全体の自己相似)の例とも云えると思います。
世界の構造に、変に精神性を見いだそうとすると、その「神秘性)」が却って霞むような、文章(言い回し)と思いました。
by mohariza (2009-06-02 23:34)
poohさんの御言葉
>そう云うことを書くと要らん類感呪術を働かせる手合いが出現するぞ
そういえば、ユリの花にも似ている…。気になってユリの花を検索したら、Wikipediaにも似たような画像が…。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BE%E5%90%88
偶然の一致でしょうか…。それとも…。
って、ただの偶然ですやんorz。
見た目が似たものって、結構探しやすい気がします。まったく別物を、探すよりも。
私の場合、類似したものに注意が向くようになっているらしい。
やがて漠然と、「これには何か、深い意味が有るのでは?何者かが、私に啓示を送っているのか?」などと、悩み始めてしまう。
もっとも、科学の初歩を学習した現在は、少なくなりました。
関係のない物同士を結びつける心が、己だけに見える幻を生み出すのかも知れませんね。
by TAKA (2009-06-02 23:47)
むしろ見る者の職業を反映していたり。
其の昔、理研で実験していた時、夏場はこんもり茂っていた木の葉っぱが全部落ちて、枝の状態がわかるようになってました。
それを見た脳研究者曰く「デンドライト」。私の目には「教科書に出ていたフラクタル図形」。「専門がバレるわね(笑)」というオチでした。
by apj (2009-06-03 00:31)
「神秘性)」は、「神秘性」と変更します。 )は、消し忘れです。
NASAなどが出す宇宙の星雲の画像を見ると、様々な「神秘的な」画像に触れ、それは何か、地球上の形体、ミクロの(生物)細胞、分子結晶等をイメージされます。
人間は、宇宙の構造(星<星雲>の構造)を見て、どこか、自分<むしろ見る者の職業を反映?>らが知っているものと、近いと思い、親しみを湧かせる気がします。
当然、「もの」の成り立ちは、ある<神秘な>法則に基づいているので、共通性があるのだと思います。
「フラクタル(図形)」も、その共通性を理論化した、図形理論と思います。
by mohariza (2009-06-03 02:31)
「似ている」ではなくて「似すぎている」と感じるところが危ない所なんでしょうね。
それで、いろいろ探してみると「似すぎている」ものが「あり過ぎる」と感じたりして。でも、それは「ありふれている」ということだから、別に「・・・過ぎて」いるわけじゃないってことで・・・。
「それとも...」に続くのは「人間の認知の癖」。
by zorori (2009-06-03 06:57)
> moharizaさん
まったく違うものが似て見える、と云うことは、そこになにかしら意味を感じさせ、関連を想定させることではあります。
もちろん、その裏にはおっしゃるような原理が存在することもあるでしょう。その原理そのものがまずある意味神秘的で、魅力的だと思います。ただ、それはつきつめるべきもので、たとえばなにかしら信じるべきもの、ではないのだよなぁ、みたいに思います。
by pooh (2009-06-03 07:27)
> TAKAさん
類似したものになにかしら意味を見つけようとするのは人間の基本仕様ですし、それはまたいろんなインスピレーションの源泉だと思うんです。で、その奥にある、moharizaさんのおっしゃるような追求しうる原理もあったり。
でも、似ている、と云うことを、「似ていると感じること」以上に捉えてしまうと、いろいろとまずいことを引き起こす原因にもなりうるなぁ、と。
by pooh (2009-06-03 07:30)
> apjさん
連想と云うのは身近なものと結びつきやすい、と云う話かと思います。
そう考えると、あるものからなにを連想するか、と云うのは、そのひとにとってどんな事柄が身近なのか、そうしてどんな経路でものごとを結びつけるのか、と云うのを示すケースにはなるなぁ、と思います。
by pooh (2009-06-03 07:32)
> zororiさん
> 「似すぎている」と感じるところが危ない所
そうです。まさに、そう云うお話です。
人間の認知の癖、そのものはやっぱり非常に重要なものだと思うし、軽んじるべきでもないと思うんですが、それが「癖」だと認識しておく必要はあるのかな、と思います。
by pooh (2009-06-03 07:34)
「宇宙空間にひろがった物質の分布と、それらの重力による凝集」とちょうど同じようなふるまいを「マイクロチューブル」が果たしている、と考えたいです。
似ていると思うのは癖かもしれませんが、癖にすぎない、とすべき積極的な理由もないのではないでしょうか。
by ちがやまる (2009-06-03 08:37)
こんにちは。apjさん、みなさん。
apj さん:
> 木の…枝の状態がわかるようになってました。
> それを見た脳研究者曰く「デンドライト」
> 私の目には「…フラクタル図形」
うーむ。私としてはフィボナッチ数列を見たかったところですね。
apj さん:
> 「専門がバレるわね(笑)」というオチ
確かに私がミルカさんLOVEなオヤヂであることがバレてしまいますね。
by YJS (2009-06-03 11:47)
してみると私はmoharizaさんに近いのかもしれません。apjさんの例では、枝が伸びていくところの成長点で分枝の原器ができるタイミングと、分枝の原器の性質(萌出する枝の角度とか)が一定なら、それだけで樹形が決まってしまうでしょうから、フラクタル図形とのつながりを思い浮かべたという発想は本質をついていたということになるでしょう。
でも、同僚の人は樹形パターンを見て「樹状だ」と言っただけみたいですね。もしかしたらわざとボケて、apjさんにツッ込んで欲しかったのかもしれません。
by ちがやまる (2009-06-03 16:05)
【謎の円盤UFO】の、「惑星Xクローズ・アップ作戦」ですね(違う)。
by About (2009-06-03 18:07)
ちがやまるさん、
>同僚の人は樹形パターンを見て「樹状だ」と言っただけみたいですね。
ちょっと違います。
ラットの脳の切片を作って電気生理の実験をしていた人ですから、「デンドライト」といえば、専門用語で「神経繊維の樹状突起」の意味ですよ。
by apj (2009-06-03 19:03)
樹を見て「樹状突起」とだけ言うのは、個人的には許せない感覚です。神経の研究をしている人であるならなおさら。「なら幹はアクソンかよ!根っこは神経末端かよ!何分泌すんだよ!」とかツッコミまれるのを期待していたとしか考えられません。
by ちがやまる (2009-06-03 20:03)
ちがやまるさん、
何でそんなに厳しいのかわけがわかりませんが……。
当時一緒に実験をしていたので、その人は木を見て、使っていたラット小脳スライスの顕微鏡下での組織片を先に思い浮かべたようでした。
類似の話(?)に、
どっかがつっかえて流れない様子を見て、ボトルネックと呼ぶか律速過程と呼ぶかで専門バレするというネタもあったような。
他にも、トークンリングと呼ぶかバケツリレーと呼ぶかの違いとか。
by apj (2009-06-03 21:01)
思いもよらない取り合わせで類似を指摘するなら、その指摘だけでもいいでしょうけれども、樹状突起が樹に似てるというのは、ひじょうに多くの人達が同様に感じていることなのでしょうから。それだけだとすごく物足りないというか、拍子抜けというかそんな感じです。
このエントリとも関わる点でいうと、似ているということに意味があるのか、単なる偶然(他人の空似)なのか、コメントがほしい気持ちがしました。apjさんの記憶中の存在の人に対してそんなこと言うのはおかど違いなんでしょうけれども。
by ちがやまる (2009-06-03 21:42)
> ちがやまるさん
> 癖にすぎない、とすべき積極的な理由もない
すぎない、とはまったく思いません。それはヒューリスティック、と云うことでもあると思いますし。
それは日常的には高効率にむすびついたり、そうでなくてもまた別の豊かな成果を導くこともあるわけで。ただまぁ、それを「信じる」対象としてしまうと、危ういこともあるよなぁ、みたいな。
by pooh (2009-06-03 21:48)
> YJSさん
見たいものを見てしまってはだめです(^^;。
by pooh (2009-06-03 21:48)
> aboutさん
いらっしゃいませ。
「謎の円盤UFO」は見ていないんですよ。
調べてしまいました。うぅむ、なるほど(^^;。
by pooh (2009-06-03 21:49)
そのもずばり、デンドライト フラクタル と呼ばれている図形があります。
http://mathworld.wolfram.com/DendriteFractal.html
by かも ひろやす (2009-06-04 01:39)
> かも ひろやすさん
これ、mathematicaのウォルフラムのサイトですね。
by pooh (2009-06-04 07:30)
サンゴなんかのように、全体の中にある規則性とランダムさをもって成長する部位がちりばめられている(、んだろうと思いますが、)ものについて、ある程度時間が経過したらどんな形になっているか、という問題と関係しているのかな、と漠然と思いました。細胞数個の領域が、一回ぶんの細胞分裂のあとでどういう形に変形するか、というのがn→n+1の変換に対応するでしょうか。
(ヌルい反応かもしれず、それについては先にあやまっておきます。すみません。)
by ちがやまる (2009-06-05 08:12)
> ちがやまるさん
こう、またぼくたちはそう云うところにいろんな種類の「美しさ」を見いだしたりするわけで。
by pooh (2009-06-06 05:24)
おはようございます。
かもさんが示してくださったような図や、その近くに書いてあったような解説で感じるのは「美しさ」よりは「不思議さ」や、より単純素朴な「?」であるように思います。
エントリの元記事
http://www.nytimes.com/imagepages/2006/08/14/science/20060815_SCILL_GRAPHIC.html
の銀河のシミュレーションの図がきれいだな、と感じる時に、どれだけ「パターン」や「類想・連想」がくすぐられているのかはわからないと思います(単純にわからない、と思うだけですが、「連想」が効いてない可能性も結構ありそうな気もします)。別のパターンであっても、暗い中に赤、紫、黄緑の点がちりばめられていれば、きれいだな、と思いそうですし。
ここしばらく月のない深夜に、はくちょう座あたりの天の川が見えていたのですが、真夏のころ見るよりは透き通った感じがするようで、きれいだなーと見入ってましたです。現実界の星空は、いろいろ無意識の思い入れが入っているんでしょうね。
by ちがやまる (2009-06-06 11:09)
さらに画像の出所を遡ってみると、次にたどりつきました。
http://www.virgo.dur.ac.uk/index.php?subject=millennium
きれいですね。
by ちがやまる (2009-06-06 11:18)
> ちがやまるさん
あぁ、すいません。これってオレ定義的なぼくの語法のずれかも。おっしゃる「不思議さ」とぼくの云う「美しさ」はわりあい近接したニュアンスのように思います(ファイン・アートを意識する入り口がシュルレアリスムだったぼくは、「美しさ」と云う語彙の認識にずれがあるのかも)。
> 無意識の思い入れ
そう云う(ある部分はパーソナルで、ある部分は共有化されたコードにもとづく)蓄積と、じっさいにそこにあるものから受け取れる感覚のインタープレイ、と云う部分に、ぼくは深い関心があったりします。
by pooh (2009-06-06 11:22)
> ちがやまるさん
うおぉ、かぶった。チャットになってる。
リンクを張っていただいた先の画像からぼくが感じ取れる「綺麗さ」と云うのは、「自分のなかからはでてこないもの」に対する「不思議さ」に近いです。
by pooh (2009-06-06 11:25)