影響 [余談]
栗本薫が亡くなったらしい。
小学校の卒業前ぐらいからデビュー直後の彼女を妙に身近に感じていて(たぶん当時購読していたスターログに連載を持っていたのが理由なんだと思う)、20歳になるくらいまでけっこう読んだ。そのあとはめっきり読まなくなって(ほかに読みたいものが増えたんだろう)そのまま。なので、意識できる彼女の影響は「いう」と書くときに云うと書く、その表記法ぐらいにとどまっている(と思う)。
感慨はあるけれど、なまなましさからは遠いなぁ。
小学校の卒業前ぐらいからデビュー直後の彼女を妙に身近に感じていて(たぶん当時購読していたスターログに連載を持っていたのが理由なんだと思う)、20歳になるくらいまでけっこう読んだ。そのあとはめっきり読まなくなって(ほかに読みたいものが増えたんだろう)そのまま。なので、意識できる彼女の影響は「いう」と書くときに云うと書く、その表記法ぐらいにとどまっている(と思う)。
感慨はあるけれど、なまなましさからは遠いなぁ。
タグ:栗本薫
「完結したらまとめて読もう」というのが不可能になってしまった。
by Jem (2009-05-27 21:40)
> Jemさん
コメント早っ。
いやなんか、ぼくよりだいぶ長い間つきあったつれあいによるとどんどん冗長さが増していったようで、とくに読む理由はないような。
by pooh (2009-05-27 21:43)
亡くなった人を貶めても仕方がないので、この訃報にはどう反応したものか迷っていたのですが、晩年はとにかく好い話を聞かない人だったので複雑な気分です。
「神楽坂の師匠」としてネットにおける作家の電波発言の代名詞と目されていた人なので、初期の作品のファンの方も第一線を退いた後の彼女の姿には複雑な想いがあったようですね。ネットでは、昨年の瀬尾準教授の問題でも引き合いに出されていて、ちょっと苦笑しました。
poohさん同様、スターログに連載を持っていた頃はオレも幾つか著作を読んでいて、スターログで識ったと謂うこととその後のTVへの露出なんかの影響で、栗本薫よりも中島梓のほうがしっくり来るんですが、中島梓名義の「文学の輪郭」も読んだし、ミステリも「ぼくらの時代」と「弦の聖域」だけは読んでいて、グインサーガもたしか二〇巻くらいまでは読んだのかな。
神州纐纈城に影響を受けた話で回収騒ぎを出したときも、たしか初版を持っていたような記憶があります。そのグインサーガもかなり以前から趣味に走って凋落が著しく、初期のシリーズのファンが断腸の想いで見切りを附けたと謂うような話も多々耳にしています。いろいろな意味で、直近の過去を振り返るのがちょっと辛い方ではあります。
こう謂う言い方も冷たいですが、亡くなったことでこれから中嶋梓・栗本薫の作家としての仕事に冷静な評価が定まっていくのかな、と思います。
by 黒猫亭 (2009-05-28 06:50)
> 黒猫亭さん
ぼくはグイン・サーガをもうすこし読みました。つれあいはもっと読んでるはず(でもうちにはない)。
作家としてどうだったか、と云うと、たぶんぼく個人の評価はもう20年も前に下してるんですよ(読まなくなった、と云うかたちで)。それでも、「好きなものしか書かない、好きなことしかやらない」と云う点を徹底したのは、そこからのアウトプットはどうあれそれなりにあっぱれで、幸せな人生だったのかな、みたいに思います。
by pooh (2009-05-28 07:31)
>poohさん
あまり詳しい話をすると、故人を悼むタイミングに相応しくない話も出てきますので慎みますが、オレの識る限りではあまり恵まれた後半生ではなかったようです。
どうもその辺、亡くなった直後だと差し障りが多すぎて言葉少なになってしまうと謂うファンも多いのではないかと想像します。オレも結局、立ち回り先の中では一番思い入れの薄そうなここでしかコメント出来なかったわけですが、それでもちょっと言い過ぎたかなと気が差します。
by 黒猫亭 (2009-05-28 12:08)
> 黒猫亭さん
いや、思い入れが薄い、と云うより、思い入れが風化している感じのほうが近いのかも。
若い時分の彼女への思い入れが、当時の中二病的な自分自身がいまの時点からするとどう見えるか、と云うことともあいまって、なんとなくちょっと距離のあるものに感じられたりするんですね。で、たぶん20歳を過ぎてから彼女の作品を読まなくなったのも、ぼくの場合はそう云う部分があったようだ、といまになると思えます。
by pooh (2009-05-28 21:57)
poohさん、こんばんは。
私が栗本氏を認識したのはJUNEでした。高校時代に今は有名な少女漫画家になった方が、先輩におられて、その方が短編アニメを作ろうと同好会を作られました。私はセル塗り要員(漫画なんて書けませんから)として友人に引っ張られて、そこで知った世界でした。あの頃は、確か”嘆美”なんてジャンルで語られていて、まだ文学の作法が重んじられていました。栗本氏はその雑誌で小説道場を連載され、小説家を育成する事をされていました。読む人間が文学少女崩れでしたから、小説として成立していないものは、評価を得られませんでしたね。今はBLと呼ばれる分野になったようですが、あの頃栗本氏の連載で見出され、育てられた作家がその分野の大家として活躍されているようです。
私自身は、栗本氏の書かれる小説には今ひとつ惹かれず、グイン・サーガも手に取る事がありませんでした。ですから氏の作家としての業績については語る言葉を持ちません。またこれからBLと呼ばれる分野がどうなっていくのかは私などには想像もつきませんが、栗本氏がこの基礎を構築し、現在その先に成果が咲き誇っているのは間違いないと思います。
私は現在自分の軽率さにへこんでおりまして、いい年をしてもっと利口になれないものかと煩悶してますデス、ハイ。
by うさぎ林檎 (2009-05-30 22:51)
> うさぎ林檎さん
そのあたりの先駆者、と云う評価はあるようですね。ぼくは野郎なのでそれほど身近ではない分野ですが(元祖のジャン・ジュネは読んだことはありますけど)、森茉莉への思い入れを語る「中島梓」の文章は読んだことはありました。たぶんJUNE創刊前。
だから変な話、「お耽美前夜」みたいな状況は同時代的に知ってはいたんですよね。時代の気分と基盤は共有していても、そちらには行かなかった、みたいな。
by pooh (2009-05-31 08:11)