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うらづけ [世間]

音楽療法士でいらっしゃるらしいMOLさんの水の結晶〜partIII〜と云うエントリを読んだ。

音楽療法、と云うものの実際に触れたことはないので、どのようなものなのか詳細はわからない。ただ少なくとも音楽と云うものが人間の精神面のコンディションに影響を及ぼすのは確かで、その意味で代替医療としてはシリアスなものなんだろうな、と認識している(モーツァルトは万病に効く、と云った類のものではないんだろうな、とか思っている)。ただ、その実践資格を持つ方がこのようなことをおっしゃる、となるとちょっと微妙なのかも、とか考えてしまう。
では、ここで水の結晶を思い浮かべてみましょう

結晶は水を凍らせて見るらしいのですが、

本来、消毒されたりして水の構造が破壊されている場合(例えば水道水)の水は、結晶を作りません。
水の結晶と云うのはただの氷で雪で霜なので、水道水でもちゃんと結晶はできますよ。と云うか一般家庭でもふつうに冷蔵庫で氷とかつくって使ってると思います。
それが、ある代替医療学博士による実験で驚くほどの実験結果が出たんです!!
そのある代替医療学博士の博士号って、学位販売業者から買ってきたものなんじゃないかと思うんですが。ちゃんとした学者は、最近はそう云う学位は名乗らないのが一般的です。かえって信用をなくすので。まぁ、信用問題とかとくに関係ない、自分の研究がアカデミズム内で認められることにとくに意義を見出さないと云うことであればそのへんは構わないのかもしれないですけど、だったらなんのためにそんな学位を名乗ってるんでしょうね。
「ありがとう」
などといった、ポジティブな文字を水に見せた水道水が、美しい結晶を作ったそうなんです


これはつまり、
水は不純物を含まない良い水に戻ろうとする働きをする
ということです。



音楽による反応もこれと同じです。
前半部の記述の意味がよくわからないので、音楽による反応がいったいなにと同じなのかよくわからない(このへんはつづきのエントリで説明されるのかな)。と云うか、音楽療法と云うのは身体のなかの水にアプローチするものなのか。
もともと音楽は人の感情をネガティブなものからポジティブなものへと変換する性質をもっていますから、
ポジティブな波動を発しやすいのだろうと考えられます
そんな単純なものなのかなぁ。ぼくは昨日の晩、寝る前に酒を呑みながらファド(まぁ、ポルトガル演歌みたいなもの)のコンピレーションを聴いていたのだけれど、あんまりポジティブな波動を受けた気はしない。まぁファドもべたべたにネガティヴなものでもないけれど。
(ヘビーメタルやロックなど社会批判的な歌詞が多いものはネガティブな波動を発する要因となるかもしれませんが…)
繰り返すけど、音楽療法ってそんな原理に基づくものなのか。あと社会批判がネガティブな行為だとは知らなかった。この基準で音楽を選ぶと、聴けなくなるミュージシャンがどっさり出てくるな。ジョン・レノンだってボブ・ディランだって、ボブ・マーリーなんかも聴けないですね(いや、ジョンなんか実際ほんとはやばいわけですが。「イマジン」なんかこどもに聴かせていいのか)。

日本音楽療法学会のサイトの日本音楽療法学会とはと云うページを見ると、どうやら国家資格としての音楽療法士の制定を目指しているらしい。いや、岐阜県兵庫県奈良市では自治体が資格としての認定を行っているようだし、真摯なアプローチで有効な代替医療を確立しようとすることについてはもちろん異論なんかない。ただ、その音楽療法そのものがMOLさんのおっしゃるようなことを原理としているものだとすれば(と云うかこう云う考え方のひとが施療するのが一般的なのだとすれば)、ちょっと困ってしまう。
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コメント 4

TAKA

リンク先のMOLさんの記事、読みました。
またもや、「己の主張を強くアピールするために、都合の良さそうなニセ科学を取り入れて、補強してみました♪(^^」の、御方が誕生orz。

音楽療法のお仕事を、世間にポジティブに受け入れてもらいたい気持ちは、理解できます。
しかしながら、江本氏が唱えるインチキな波動などに共鳴していると、いつの日か不協和音を奏でることにorz。
しまいには、音楽療法の世界そのものまで、信用を落としてネガティブにorz。

音楽療法を怪しいものに思われないためにも是非、江本氏の主張を懐疑的に調べて欲しいものです。次のような変化を期待したいですね。
「なんか怪しいみたいだから、今後は結晶の話を止めます。インチキ科学の詭弁をキャッチし続けても、音楽療法には雑音と成るばかりですから。」
by TAKA (2008-12-18 04:35) 

pooh

> TAKAさん

> 音楽療法を怪しいものに思われないためにも是非、江本氏の主張を懐疑的に調べて欲しいものです。

ほんとうに、そう思うんですよ。「ひとに」対する音楽の力に対する理解を深めながら、有用な医療に生かしていってほしい。都合のいい適当な外的根拠に頼ることは、音楽療法そのものを貶める行為だ、と云うのに気付いてもらえないかな、とか思うんですけど。

でも、あぁ、続きのエントリが…

http://ameblo.jp/mol-therapy/entry-10178888751.html

もう音楽療法士なんか標榜するのはやめて、標語療法とか張り紙療法とかはじめちゃえばいいのに。
by pooh (2008-12-18 07:42) 

Narr

 こんばんは。

>poohさん
 報告兼ねてなんですが、ニセ科学批判批判のリンク集を作ってみました。Chromeplated RatとInterdisciplinaryを中心にまとめましたが、何か問題等あれば、ご指摘お願いします。と、TAKESANさんも見ておられると期待して書き込む。

---------

http://ameblo.jp/mol-therapy/entry-10179675025.html
 コメントでの「ヘビーメタルやロック」についての返答が興味深かったです。「誰の心も否定しないようにしよう」としたのか、水伝が独自解釈されていった過程が見えて。


>都合のいい適当な外的根拠に頼ることは、音楽療法そのものを貶める行為

 音楽療法が、どんな状態の人に対して何をするのか、私には全く分からないので、強く言えない面もありますけれど。

 「水の結晶」は、「外的根拠・うらづけ」というよりは、「報酬」に使おうとしているように見えました。「自分の綺麗な心を肯定すれば、『綺麗な結晶』という御褒美が貰えます」といった。
 結局、「あなたが好きな音楽が悪い結晶を作るなんてことは無いんですよ」ということなんでしょうし。損が無くて、一方的な報酬だけがある。
by Narr (2008-12-18 19:31) 

pooh

> Narrさん

> 報告兼ねてなんですが、ニセ科学批判批判のリンク集を作ってみました。

拝読しておりました(リファラ経由)。なんと云うか、おつかれさまです。なんかけっこういろんなこと書いてますねぼく。

> コメントでの「ヘビーメタルやロック」についての返答が興味深かったです。

すでに水伝の主張から逸脱してますよね。

> 音楽療法が、どんな状態の人に対して何をするのか、私には全く分からないので、強く言えない面もありますけれど。

ぼくも実際に触れたことはないのでわかりませんが、少なくとも療法として確立を目指し、従事するひとを国家資格保有者として認定されることを目指しているかぎり、奇跡を求めるようなものであってはならないはずです。通常の医療が、奇跡を求めることを許されないように。
なので、新しいエントリでお書きのような考え方は許容されるべきではない、と思います。

http://ameblo.jp/mol-therapy/entry-10179204211.html

>  「水の結晶」は、「外的根拠・うらづけ」というよりは、「報酬」に使おうとしているように見えました。

これは興味深い視点だと思います。
ちょっとぼくにはすぐに論じるのが難しいですけど。newKamerさんなんかは、このあたりを解釈できる視座をお持ちかも。
by pooh (2008-12-18 21:50) 

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