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「売ること」と「伝えること」 [よしなしごと]

ryuzi_kambeさんのエコと広告 〜 科学に対して嘘をついても罰せられることはないのかと云うエントリを読んだ。どうもなんかちゃんとまとまったことを云える気はぜんぜんしないのだけれど、議論の裾野として必ず関わってくる部分についてお書きになっていると思うので、そのあたりの認識だけ示しておきたいと思った。
ちょっとだらだらした垂れ流しになってしまうけれど。

これ、少し前のエントリのコメント欄でJemさんやLightさんとお話ししているなかで出てきた、「商売の視点」みたいなのに関わってくると思う。

品質や、イメージや、ストーリィで差別化して商品を売るのは、まぁ通常の商行為のなかであたりまえのこととして繰り返されていて。で、それを買う側がどう評価するかで、マーケットシェアだの利鞘だのが変わってくる。ただ、評価してもらうためには、どんな付加価値があるのかを理解してもらわなければいけない。付加価値が非常に理解しにくい難しいものだったらそれは認めてもらえないし、仮にわかりやすくてもそれが消費者にとってあえてそれを選ぶ(または上乗せ分のお金を払う)だけの意義のあるものとして認めてもらえなければ意味がない。で、後者については、消費者側の価値観と云うものが必然的に関わってきて。
で、広告、と云う視点で見ると、このふたつは分離されるようなものではなくて。#1「いいものできたよ!」とか伝えるだけじゃ足りなくて、#2「こんなところがいいんだよ!」でもまだ不足で、#3「こんなところがいい、って感じる感性がかっこいいんだよ!」くらいまで提示するところまでが守備範囲になってる、みたいな。

で、#2「 こんなところがいいんだよ!」と云う部分にまず、いんちきが入り込みやすい(いや、広告する側が意図していんちきをしているかどうかは別の議論として)。ここに「科学的に証明されている」と云うのが入ってきて、しかもそれが虚偽ならニセ科学商品の出来上がりで。まぁこの部分もすでになにがいんちきでなにがそうじゃないのかはっきりするものではないので(あと、「どれくらいまではいんちきじゃないか」ってところもね)そうそう簡単に見破られたり断罪できたりするわけではない。逆に云えば、ニセ科学商品と云うのは「うそ」であれば「うそ」だとわかる基準がある分、まだ判別しやすいとも云える。
とにかくわかりやすいマーケティングコピーで多くの人に浸透しているワードであれば、それが雰囲気モノであっても広告の中のメッセージとして使用されることがあるということは事実だし、それがためらわれないのは科学と反することを発言してもそれが罪に問われないからなのではないかと思う。
まぁ確かに罪に問われないわけではあるけれど、それ以前にこれって「科学を装う」と云う部分があるから(つまり、科学と云う相応に権威を持つ体系を正当とは云えない方法で利用しようとしているから)分かるのであって、と云うところもあるかと。と云うか、そもそもそう云うふうに動いていく力学そのものが広告には内包されているのだけど、ニセ科学の場合は相対的に判別がまだ容易だ(どこでいんちきしているのかはっきり分かる)、と云うことでもあるのかなとか思う。判別基準のないいんちきは、当然ながらそもそもいんちきかどうか判然としないわけで。

ついでに云うと#3「こんなところがいい、って感じる感性がかっこいいんだよ!」と云う部分は場合によってはもっときわどいように思える。それは価値観の提示なので。まぁこの辺多分最近で典型的なのは、ロハス、なんだろうと思う(よく云われることだけど、ロハス、ってのはマーケティング用語で。もともとライフスタイルを意味する言葉ではなくて、LOHASと云う略語で象徴されるライフスタイルと価値観「のようなもの」と抱き合わせで商品開発と市場開拓、販売を行う戦略のことを示している)。

広告が悪いわけではなくて、いい商品をみんなで使って満足するためにはやっぱり必須で。
で、それが成功しているか失敗しているかを測るための指標は、資本主義社会に暮らしている限りお金しかなくて。

でも、このあたりの話は経営学者の福耳先生が折に触れて言及する「正義商品」みたいなもの(この辺とかこの辺とかでひどくまとまらない言及をさせてもらったりしたけれど)をどう考えるのか、と云うことにも多分つながってくるんだろうなぁ。
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newKamer

 あんまり関係ないですが、以前「宣伝に科学という文字が書いてあったらニセ科学商品」なんていう指針を考えたことがあります。

 私は、この件に関してはpoohさん程寛容ではなくて、企業倫理の腐敗だと思っています。それを問えるのは本来なら消費者だけなので、消費者のリテラシーを底上げするしか対処法はないのかもしれませんが。
by newKamer (2008-07-16 09:16) 

Light

なるほど、と思いながら読みました。
「商売の視点」ということで言うと、私が最近怖いと思っているのは「口コミ」ですね。

「これを使ったら『肌がきれいになったね』と言われました」とか、
「本当は教えたくないんですけど・・・」
等々、ありとあらゆる手法で訴えかけてくるのは、心が動きそうになる分(情けない・・・^^;)逆に気持ちが悪いです。
そこには何の科学的証明も要りませんしね。ただ、「私はこう感じた」のオンパレードです。
やはり人間を動かす上では理よりも共感が強いのでしょうか。
どちらにしても、悪知恵の働く商売人ほど儲かるような事態にだけは、したくないのですが・・・
by Light (2008-07-16 21:04) 

pooh

> newKamerさん

> 「宣伝に科学という文字が書いてあったらニセ科学商品」

これ、指針として実効性がありそうで怖いです。実際には多分最先端の科学はコモディティに応用されていることが多くて、とくに宣伝文句には使われないようにも思いますし。

> それを問えるのは本来なら消費者だけ

これ、ほんとうにそう云う種類の話なんだと思います。と云うか、消費者の論理とぶつかるところにしか企業の倫理と云うのは生じ得ないもののように思うので。このへん技術開発者さんの議論のスコープとも繋がってくるような。
by pooh (2008-07-16 21:25) 

pooh

> Lightさん

> やはり人間を動かす上では理よりも共感が強いのでしょうか。

そう思います。だから危ないんですよ。

実際のところ、多くの場合「共感」ってのはテクニックで生み出せるものでもあるわけです。宣伝で云えば、例えばコピーライティングの技術とか(なにをどこまで「騙す」に分類するのか微妙ではありますが)。そうすると、科学的思考とかクリティカルシンキングの出番になってくるわけで。

共感と云うものをなにか聖域のようなものにしてしまうのは、絶対にまずいです。
by pooh (2008-07-16 21:34) 

TAKA

日々の残業で疲れているみなさんが、元気が出そうな、そんなロハスで資本な歌を、いくつか作ってみました(^^。
鴨娘「多分、違うかも。悲しい歌かも。」

「会社が怪しい科学商品、たくさん作っていました。本当にありがとう御座いました。」という人に送る歌です。
『魔人がカット』参考:マジンガーZ
夢を砕く 不発の代物 スーパー デパート 在庫が減らず
無敵の力が オケラの山に 上司の心もパイルダーオーン!
急げ 再検 ボケッとするな 今だ 出すんだ どこぞのカイゼーン!
全ての予算を 魔人がカット!

夢を抱く 新入社員 スリパーホールド 社長に披露
正義の怒りが 職場を包み 上司のお顔もパイルダーオーン!
新人業績 みるみるアウチ 今だ 出すんだ 解雇のタオルー!
全ての社員を 魔人がカット! ついでにモミアゲ テクノにー カット!

~~~~~~~
マルチで大儲けの夢を見る人に、送る歌です。
『格好の悪Ⅱ』参考:かっこうのワルツ
カッコウ アッホウ まるちに 収めるよ 無駄な金 ほーらほーら 計算
カッコウ アッホウ みるまに 増えてるよ 負債率 ほーらほーら むしばむ

~~~~~~~
人生には浮き沈みが有ります。あきらめないで、じっくり進みましょう。
『株を始めた友)』参考:海の歌
株は 凄いな 儲かるな ツキは上がるし 頬緩む
すでに お船を 手に入れて 行って来たよ カリブ海

株は 凄いな すぐ消えた 追資みるみる 底を尽く
すでに お船に 乗り込んだ 友を見送る 黄泉の国

~~~~~~~
人生に疲れた時は、自分探しの旅に出て、己を見つめ直すのも良いです。
『コンドルが呼んでいる・終着地編』参考:コンドルが飛んでいる
お金が無い時には 覚悟 決めて 破産 しよう
お棺が無い時には 樅と 桐で 自作 しよう 
あの コンドルは 誰の 今世
この コンドルは 私の 来世 すぐー 
落ちる…
夕日…
荒野…
叫ぶ…

今 ここに 眠る 骨 がー らー… 

レイラ様「やはり荒野が一番ですわ。本物の、ロハスな生活を送りたいのならば。おーほっほ(^-^」

~~~~~~~
旅先で疲れた時は、風薫る、あの草原で横になり、お気に入りのブログをチェックしましょう。
『眠る草原・枯れ景色』参考:津軽海峡冬景色
ごらん彼が 谷に消えた 「来たの?ようこそ!(^^」…見知らぬ骸 肩を貸す
ニセで埋まる 彼のブログ引いてみたけど 僅かにロハス見えるだけ
さよなら貴方 利息は返します 金の音がレスを揺する消せとばかりに
ああ 眠る草原・枯れ景色

~~~~~~~
イチイ様「ていうか、困るわけよ!環境保全を気取った金の亡者には!」
カヤ御嬢「夢破れた人たちが放浪の末、アンデスの骨になるのも、100パー環境保全かもね。迷惑をこうむってる、日本の動植物にとってはね。」

『ご破算 もう寝よう(マルコが荒野を旅する途中、見たものは編)』参考:かあさん おはよう(母をたずねて三千里)
「朝、僕を起こした、お日様が。ほら、もう、隠れ。」
「今、計算をしているんだ。遥かな負債が、空に届いて。」
「お骨さん。また来た。ボンジョルノ、ミヤマードゥレ(^^)/。」
~~~~~~~
♪みなさん。♪さよなら。♪繁盛の夢見て。
by TAKA (2008-07-16 22:50) 

ちょちょんまげ

poohさん、エントリー内容と全く関係のないコメントをお許しください。
以下のリンク先の内容に関連する話題が、どこかで論じられたケースをご存知でしたらご紹介いただけないでしょうか。

「マイクロ波による電磁兵器」についてです。
http://310inkyo.jugem.jp/?eid=701
http://310inkyo.jugem.jp/?eid=755

これに関連して以下のようなわけのわからないNPOまであるようです。
http://www.geocities.jp/techhanzainetinfo/index.html

実は以前にNATROMさんの第3掲示板に「思考盗聴」されているという方が書き込みをされて、その方にちょっとつきあった経緯があり、その際にはかなりの特殊例だと思っていたのですけど、今回、あんがい広まっている話であることを知り、少々驚いているのです。

もし、「過去の論議」をご存知でなければ、ご意見も拝聴できれば幸いです。
by ちょちょんまげ (2008-07-17 03:56) 

pooh

> TAKAさん

> 上司の心もパイルダーオーン!

こいつにやられました。腹が痛い。
by pooh (2008-07-17 07:55) 

pooh

> ちょちょんまげさん

うぅむ。このサイト、どこかで陰謀論系として論じられているのを見かけたことはあるんですが、詳細はわからないですね。

ただ、「マイクロ波のパルスが音として認識される」って云うのはどう云う理屈なんだろう、とか思います。そんなことってあるのかな。どうも電磁波と音波をごっちゃにしてるような。
by pooh (2008-07-17 08:01) 

ちょちょんまげ

poohさん、お返事ありがとうございます。

>波動学(電磁波・音波)
なんちゅう、凄い記述もあるんですよね。

>マイクロ波のパルスが音として認識される
は、恐らく、マイクロ波を送って脳に直接音声として認識させる、みたいな話だと思うんですが、とにかく、「思考盗聴」でググると、半年ほど前より、はるかに多くのヒットがあるように思います。
なんかこれって、「水伝」あたりより、一見「説得力」があるように見えて、ヤバくないでしょうか。
関係ない話題でさらに汚しちゃってすみません。

by ちょちょんまげ (2008-07-17 09:01) 

Noe

「思考盗聴」を口にされる方には、一刻も早く精神科の医師の診断/治療を受けることをお勧めしたいです。症状が思考伝播だけなら早く回復して日常生活を問題なく送れる可能性が高いです。
by Noe (2008-07-17 18:23) 

pooh

> ちょちょんまげさん

まず、ぼくは論者としてのちょちょんまげさんのフェアネスを信頼しています(これは主に、派閥に分かれての団体戦よりも、ご自分の旗の下での議論と対話を行われている、と云うぼくの印象に基づくものです)。
で、まずお書きいただいた問題定義についての基本的なスタンスを書きます。以下、非常に誤解されやすく、また曲解も容易なことを書きますが、これは上記の信頼に基づくものです。願わくば、そのまま受け取っていただけますよう。

> なんかこれって、「水伝」あたりより、一見「説得力」があるように見えて、ヤバくないでしょうか。

このあたりの判断は、個々人がそれぞれの問題意識に基づいてするしかないと思うんですよ。で、どの論題についての議論を行うかどうかは、それぞれの論者の考え方によります。このあたりの「優先順位問題」についてのスタンスは、ぼくは菊池誠がこちらのエントリで最初に書いているような方針に準拠しています。

http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1164164775

で、多くの論者が、ニセ科学の議論にコミットするにあたって同様のスタンスをとっています。そうしないと、「こっちのほうが重要だからこっちを論じないのはおかしい、こっちを確かめないのは間違ってる」と云いだすひとが次から次へと登場して、議論が不可能になるからです。ビンゴの例ではないですが、これもkikulogからサンプルを挙げましょう。

http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1161050666

以上、前置きになります(自分でも過剰防衛気味だと思うんですが、どうも最近延々と「これを批判してこれを批判しないのはダブルスタンダードだからこいつは論者としてだめだ」式の鬱陶しい論難に晒されてきたので、ちょっと警戒しています)。コメントを分けます。
by pooh (2008-07-17 22:06) 

pooh

> ちょちょんまげさん

前置きが長くてすみません。

で、提示されたサイトについてですが、どうもありがちな陰謀論系サイトに見えます。どこで名前を聞いたのか、と云うのを少し考えてみたんですが、政治ブログの水伝騒動の発端であるV氏と仲良し、と云うことで名前が挙がっていたのではないでしょうか。

で、(科学の専門家ではない)ぼくの判断できる範囲で。
例えば、電磁波が人間の健康に影響を及ぼすのはまぁあるだろうな、と思います。強力な巨大電子レンジに人間を押し込んでスイッチを入れれば、それは健康を害したり死んだりすることもあるでしょう。

ただ、マイクロ波がアンテナもついていない個人をこっそり狙えるほど指向性の高いものなのか、そのために必要な機械が街中で使うにあたって現実的な技術でつくれるものなのか、については疑わしいと思います(とか書いてますが、間違ってるかもしれません。その場合はどなたかがご指摘くださるでしょう、と甘えてみる)。

で、ご指摘の部分なんですが。
人間が電磁波から直接音声を感じることができるとすれば、ラジオも携帯電話もいらないわけですよね。そもそも音波は空気を伝わるもので、電磁波とはまったく違います。って云うか「『波』しか合ってないじゃん!」ってレベルの話ですよね。おまいら「波」ってついてればみんな「波動」だから一緒くたなのかと。脳波も重力波もかめはめ波もおんなじなのかと。そんなに波が好きならひと夏海辺でキャンプでも張ってろと。もうこの時点で基本的にだめでしょう。

まぁこれはニセ科学と云うよりは陰謀論の文脈で論じられるべき事柄だと思います(近接してはいますが)。水伝同様、例えば真に受けた教師が授業で教え子に向けてこう云うことを教えるようなことがあれば、まずは強く批判されることになるでしょうね。ぼくも論陣を張るかもしれません。
9.11陰謀論については、実際にそう云う教師がいました。kikulogのこちらで登場したSeaMount氏ですね。

http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1189579585

このときにはうちでも関連エントリをあげています(ちょっと大外ですが)。

http://schutsengel.blog.so-net.ne.jp/2007-09-27-1

ただまぁ、現時点では「トンデモ」の範疇かなぁ、とか思います。そう云う意味では(V氏に対する扱いと同様)わざわざ論じることはいまのところしなくてもいいのかなぁ、みたいに(ぼくは)判断します。トンデモNPOはどっさりあることでもありますし。
by pooh (2008-07-17 22:08) 

pooh

> Noeさん

見解に同意します。揶揄でもなんでもなく、それで解決する可能性も高いですし、ご本人のためだと思います。
by pooh (2008-07-17 22:09) 

田部勝也

>ちょちょんまげさん

そこまで組織的になると何とも言えませんが、個人における「思考盗聴」被害妄想は、典型的な統合失調症の症例で、特にめずらしいわけではありません。たとえば、『統合失調症FAQ』(↓)参照。
http://www2f.biglobe.ne.jp/~yasuq/schizophrenia2.htm
基本的に、上でNoeさんのおっしゃっている事(2008-07-17 18:23)を、私も支持します。
by 田部勝也 (2008-07-18 00:07) 

pooh

> 田部勝也さん

ただですねぇ。被害妄想を未知の科学による陰謀に結び付けて結果的に治療が遅れる、みたいな事態が生じ得る、ということなので、これもニセ科学問題の一典型だとは思うんですよ。
その意味で、ちょちょんまげさんの問題の捉え方はまったくずれていない。

少し前に、諸悪の根源を「化学物質過敏症」と云うものに求めておられたn_ohsakiさんと云う方がいらっしゃいました。主にTAKESANさんのところで議論をされていましたけど、うちでも言及しています。

http://schutsengel.blog.so-net.ne.jp/2007-11-14

まぁこの方は極端な例ですけど、でも同質の考え方をする方々が多数いる、となると、やっぱりまずいです。
by pooh (2008-07-18 07:42) 

ちょちょんまげ

>poohさん
まぁ、私の場合「フェア」というより迷走してるだけだと自分では思います。
が、poohさんのおっしゃるようなこと(全てを拾い上げることは不可能であること)を「ダブルスタンダード」であると批判するほどバカじゃないとは、思っています。
by ちょちょんまげ (2008-07-18 15:49) 

ちょちょんまげ

>田部勝也さん(はじめまして。ちょちょんまげと申します)
>poohさん

ダブルレスで、失礼いたします。
えーっと、poohさん、私の思うところを代弁してくださってありがとうございます。
前にも書きましたNATROMさんの第三掲示板の方なのですが、私たちは専門医に見ていただくようお勧めしたのですけれど、彼はどうも「科学技術による思考への関与」であるとどうしても信じたいようで、結局聞き入れてもらえませんでした。以下、リンクを置かせていただきますので、目を通していただければ幸いに存知ます。(大したテキスト量ではありません)
http://jbbs.livedoor.jp/study/5329/#7

他に、やはりネットで知った統合失調症の方がいて、彼の場合はどうしても専門医を信用せず、「霊障」であるとか、「何かの試練」であるとかの取り方をして「幸福の科学」に走ってしまいました。

以下は推測ですが、そのような方々にとって、専門医による治療を受けるよりも、「誰かが何かの装置を使ってそうしている」とか「霊障だから(ある種の)修行をするとよい」みたいな方向に行った方がある意味気が休まるのかなぁ、と。

ただ、そういったものが本当の治療に背を向かせる傾向があるように思えて、危険じゃないのか、と考えるわけです。

あと、これが「水伝」同様「即却下」で正解なのかどうかイマイチ自信がなかったので、そのあたりのご意見をうかがいたかったこともあります。(現時点の科学技術では即却下で正解なのでしょうが、「水伝」のように永遠にトンデモであるかどうかが自信がないのです。例えばpoohさんのおっしゃるような「指向性」については、マイクロ波が可視光同様電磁波である以上「レーザーマイクロ波」のようなものが将来的には可能なのか、とか、です)


by ちょちょんまげ (2008-07-18 16:10) 

氷村

 お久しぶりです、初コメントが個人的な都合で愚痴の書き逃げの様な格好になってしまった手前書き辛いのですが、この件に関しては少々お役に立てるかもと思いましたので。
 文章の構成の都合上、コメント順に沿ったレスにはなりませんが御容赦願います。

 「レーザーマイクロ波」はメーザーと呼ばれていて、実はレーザーの理論よりも先に発振に成功しています。これの発展型で可視光線を使った物がメーザーの頭文字のM(Microwave)をL(Light)に置き換えてレーザーと呼ばれています。
 米軍がメーザーを電子レンジの様に利用して対暴徒鎮圧兵器として開発された物がADS(Active Denial System、通称Pain Gun)で、既にイラクで実戦投入されています。
 指向性が高く高出力・長射程(最大約500m)である反面、同時に複数の目標に対処出来ないという問題を抱えた発展途上の物で、目立った活躍はしていない模様ですが。
 以上の様にこれは人体を加熱して行動を阻害する電子レンジの応用発展技術なのですが、「電波兵器」の意味を曲解した方々が少なからず存在していますね。

 これに続いて最近話題になったMEDUSA(Mob Excess Deterrent Using Silent Audio)はもうちょっと厄介で、WIRED VISIONの記事はマイクロ波聴覚効果(フレイ効果)による物で、高強度の衝撃波による健康上のリスクがある、潜在意識に働きかけることの効果は疑わしいなどと比較的まともそうな物ですが、
http://wiredvision.jp/news/200807/2008070822.html
 engadgetの記事はタイトルに命令電波兵器、本文中には群衆コントロールシステム等のセンセーショナルな単語が登場しています。
 「Mob」は群衆ではなく暴徒、「Excess Deterrent」は制御ではなく制圧と訳すべきだと思うのですが。
http://japanese.engadget.com/2008/07/08/medusa/

 あくまでも「音声」ではなく「音」であって、一年後を目処としたデモ機が登場しても人に命令を下す様な物ではなく、ましてや人の思考を読み取るような物ではない筈ですが、engadgetの記事に飛び付いて都合良く解釈する人が次々と出て来るかも知れない思うと気が重いです…
by 氷村 (2008-07-18 21:25) 

黒猫亭

>氷村さん

ああ、「メーサー殺獣光線車」のメーサーですね、と、これが言いたかっただけなんですが(笑)。ご懸念の通り、このMEDUSA の存在が博く識られるようになれば、超能力関係とか心霊関係の界隈で、手垢で真っ黒になるまで使い倒されるでしょうねぇ。亀さんやTAKESAN さんが採り上げておられたポップコーンの動画を真に受ける人がたくさんいる世の中ですから。
by 黒猫亭 (2008-07-18 21:39) 

pooh

> ちょちょんまげさん

なんか、おっしゃっている問題は、代替医療でよく論じられる問題点に近接しているような気がします。現代医学への不振が嵩じてホメオパシーに走ってしまうとか。

> そういったものが本当の治療に背を向かせる傾向があるように思えて、危険じゃないのか

NATROM先生をはじめとして、代替医療を批判される方の多くが、そう云う視点からだと云う印象があります。
正直ですね。根本的に直るかどうかはともかくとして、その種の症状はたぶん投薬でおさまるんですよ(心療内科の薬と云うのは、それくらい効きます)。ともかくもいったんおさめてから改めて考えてみてもらう、というふうになんとか持っていければなぁ、と云うところでしょうね。

あと、技術的なお話については氷村さんが詳述してくださってますね(ありがたや)。
by pooh (2008-07-18 22:10) 

pooh

> 氷村さん

詳細な情報、ありがとうございます。

なんか、どちらにしても基本的に「標的に対していやな思いをさせる」以上のものではないようですね。ちょっとだけフレイ効果を調べてみましたけど、この原理では「意味の取れる音声を伝える」のは至難の業、なんじゃないですかね。

これ、変な解釈が広まれば確かにまずいですね。なんと云うか、プレニセ科学、みたいな状況にあるのかも。
by pooh (2008-07-18 22:18) 

pooh

> 黒猫亭さん

どうも氷村さんの紹介いただいた内容からすると、メーサー砲も「怪獣を熱がらせる」程度の効果しかなさそうで、なんか到底殺獣にまでは至らなさそうです。と云うか、あの車に搭載可能なバッテリで怪獣みたいな大きな標的相手にどれくらい持つんだろう。

なんか、どうも内容的に陰謀論コミュニティと相性がよさそうです。あの辺りのひとたちがどんなロジックをぶん回すのか、のサンプルがここのところkikulogに連続して出現してるのを見ると、どれだけ鬱陶しい事態になるのか目に見えるようです。
by pooh (2008-07-18 22:29) 

黒猫亭

>poohさん

>>メーサー砲も「怪獣を熱がらせる」程度の効果しかなさそうで

たしかに最近の作品で使い廻されているメーサー車は車載電源で賄っているとしか見えない描写ですが、たしか元々サンダ対ガイラに出てきたメーサー車は、高圧線から外部電源を取っていたと思います。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E5%AE%9D%E7%89%B9%E6%92%AE%E6%98%A0%E7%94%BB%E3%81%AE%E7%99%BB%E5%A0%B4%E5%85%B5%E5%99%A8#.E3.83.A1.E3.83.BC.E3.82.B5.E3.83.BC.E6.AE.BA.E7.8D.A3.E5.85.89.E7.B7.9A.E8.BB.8A

66式の登場以降、メーサー兵器の系統は脈々と受け継がれているようで、とにかく「東宝自衛隊は電子レンジ方式が大好き」という理解でいいのではないかと思います。

あと、関係ないですけど、東宝自衛隊の表記では「メーサー」であって「メーザー」ではないのだけれど、おおよそ「メーザー」のことを謂っている「らしい」、というのは有名な小ネタです(笑)。前掲リンクの説明を視ると、最早何処も「メーザー」ではないものまで堂々と「メーサー」を名乗っていますしねぇ。

>>なんか、どうも内容的に陰謀論コミュニティと相性がよさそうです。

ああなるほど、陰謀論系では、通常の常識では説明の附かない部分は「秘密の超兵器」を持ち出して付会するわけですから、MEDUSA はサブリミナル洗脳兵器だ、なんて話にまで飛躍したら、それこそ何でもアリになってしまいますね。

しかし、どうもこの種の陰謀論というのは、歴史時代から受け継がれている普遍的なものだけに対処が厄介ですね。ここのブログで頻繁に名前の出るP.K.ディックなんて完全に陰謀論者ですし、それ以前に完全な病人ですから。

ディックの妄想が病理的だとか特別なものだというより、彼の事例が一種根本的な原理を象徴しているんではないかと思う部分があって、陰謀論というのは個人の人格や世界観、そして誰もが普遍的に抱えている病的心理機序と切り離せない部分があるんじゃないかと思うんですよね。それだけに、何というか、理性的な言説で立ち向かうことには絶望的な非力さを感じてしまいます。
by 黒猫亭 (2008-07-18 23:10) 

pooh

> 黒猫亭さん

> 「東宝自衛隊は電子レンジ方式が大好き」という理解でいいのではないかと思います。

なんか猛烈に嫌だなぁ。と云うか、「光線」じゃないですよね。

> 誰もが普遍的に抱えている病的心理機序

これが「病的」であるかどうか、と云うのが、それなりに大きな論点なのではないかと云う気がします。で、そうでなければ、日常(^^;の闘いとそう変わりはないような気もします。
by pooh (2008-07-18 23:30) 

ちょちょんまげ

>氷村さん
情報ありがとうございました。
メーザーというのはマイクロ波だったのですね。
ご教授いただいた情報を見てわかったのですが、「思考うんぬん」はともかくとして、兵器としてのマイクロ波は開発されて発展(?)途上にはあるわけですね。私はフレイ効果のことも知らなかったので、驚きでした。

by ちょちょんまげ (2008-07-19 15:35) 

ちょちょんまげ

>poohさん

>代替医療でよく論じられる問題点に近接しているような気がします。

確かに近いですね。
あと、私がイヤなのは「陰謀論者」に代表されるような、「極端大好き」な人々が飛びつきそうなネタで気持ちが悪いな、とも思います。
by ちょちょんまげ (2008-07-19 15:39) 

TAKESAN

今日は。

「思考盗聴」、言葉を聞いた事がある程度で、そんなによく知らなかったのですが、ググってみたら、頭が痛くなりました。いや、凄い世界があったものです。尤もらしい説明を試みているけれど、無茶苦茶。

思考を盗聴されている、と「感じて」いる人は、ただちに然るべきフォローを周りが行うべきですが、こういうのって、よく考えもせずに「あるに違いない」と思い込んで、その上で煽る人がいて(当人としては、危機感を訴えているつもりでしょうが)、そこが厄介ですね。

それと、こちらで話題になっている、遠くから音を送り込むメカニズムと、遠くから人の思考を読み取るというのは、全く別の話なんですよね。前者の実現の可能性が出たからといって、後者もそうである、とはならない。でも、それを結び付けて主張する人がいそうですね…。
by TAKESAN (2008-07-19 16:27) 

黒猫亭

>poohさん

自分のところで散々能書きを垂れましたが、こちらでも少し(笑)。

>>これが「病的」であるかどうか、と云うのが、それなりに大きな論点なのではないかと云う気がします。

そうですね、そう思います。ウチでちょっと触れたように、陰謀論的な発想というのが現実不信に根を持つとすれば、それは健全な懐疑の範疇を逸脱しているわけで、陰謀論者がすべて病的であるわけではないですが、病的心理にリニアルに繋がっている思考傾向ではないかと思います。

オレがニセ科学論者よりも陰謀論者のほうを「重症」だなと思うのは、ニセの看板であろうが「科学」の二文字に有り難みを感じるうちは、とりあえず人間は目に見えるものしか論じ得ないという認識を大幅に逸脱していないと思うからなんですね。

自然科学というのは、目に見えて論じ得るものしか論じないし、その範疇でしか妥当性を判断しないという規範だと思うのですが、おそらく陰謀論的な発想というのはそれ以上を求める傾向なんだと思いますし、それは程度問題で、転び方次第では容易く病的心理に足を踏み入れてしまうんじゃないかと思います。

ですから、たとえばニセ科学批判の言論で、やり方を間違って相手を追い詰めてしまい、逆に相手の頑迷さを強化してしまうようなことってありますよね。これはニセ科学批判ならそんなに問題はなくて、頑迷と謂ってもネット人格のアティテュードの問題ですから、「そんなにネットに入れ込むなよ」という話になると思うんですが、病的傾向のある言説を過度に追い詰めるのはかなり危ないな、と腰が引けてしまいます。

なんというか、相当空恐ろしいものを相手取っているような気がするのですよね。
by 黒猫亭 (2008-07-19 17:32) 

TAKA

今回も脱力レスです(^^。お暇な時にでもどうぞ。

>思考盗聴

自我「私には聞こえる。声無き声が。日々脳に送られるデータに、この私は、悲鳴すら上げる事も、叶わない。」
自我「でも、大丈夫。だってこれは、一時記憶なんですもの。分かって!」
『スタックNo.1』参考:アタックNo.1
苦しくたって 悲しくたって 思考の外では平気なの
ビームが唸ると 指が痛むわ レシーバ 盗 すわアース
「だけど。涙が出ちゃう。…コンピュータだもん。」
頭の髪も 弱いシャンプーで あのエレキトーク 防ぎたい
ブロックー ブロックー 電波はー
スタックー スタックー なんだかな…
~~~~~~~~
poohさん
>そんなに波が好きならひと夏海辺でキャンプでも張ってろと

「人の無い、浜。南から吹く、風。打ち寄せる、波。降り注ぐ、重力波。落ちゆく、夕日。なぜか、涙が止まらない。」
『闇の実』参考:椰子の実
実を取りて 都合寄せれば 波動なり 流離の憂い
非合理の リズムを聞けば たぎり落つ 未境の涙
荒い論 闇の汐々 いずれの日にか 水に還らん
~~~~~~~~
>kikulogに登場した、9.11陰謀論なSeaMount氏
>「化学物質過敏症」という言葉に過敏だったn_ohsaki氏

懐かしい名前ですね。お二方は今も、その思考を深めていらっしゃるのでしょうか。
嘆息「理性は生きず、活気も死す。この論証舌鋒を、如何にせん。」
意訳「絶望した。常識を失い、さらには見えない病の、出口に。多くの合理的な思考を目の前にして、私は、どうすることも出来ない。」
(参考:到桂州・黄庭堅)
~~~~~~~~
>メーサーと怪獣といえば

実況「まさに、沖縄の地で踊り歌う、魔よけの神状態だ」
実況「炎天下での踊りには、思わず萌えを感じるぞ」
解説「若衆まり踊りに登場しますね。着ぐるみでは無いです」
実況「リアル『シーサー』であります」

陽気「メーサーおじさん(ハーイ)メーサーおじさん(踊った) きゅうり波動の残とんな とことん我んに 分からんな?」
冷静「はいはい波動は ええからな しゃんと見ぬ値し よう見んかい 残とこ言うな 無ェーからな」 
酔う気「反省おじさんorz 論の一致不足や正論やー 一升ビン我んに呉みせーみ…」
(参考:ハイサイおじさん)
by TAKA (2008-07-20 04:48) 

pooh

> ちょちょんまげさん

> 「極端大好き」な人々が飛びつきそうなネタ

で、そう云うひとたちと議論をしようとすると、黒猫亭さんが懸念されているような課題も出てくるわけで、なんかひどく面倒な話になってくるわけです。
by pooh (2008-07-20 05:24) 

pooh

> TAKESANさん

なんか思考盗聴って云うのは、「実感」としてある状態にあるひとに理解されやすい言説なんだろうな、みたいに思います。なんか一番まずいパターンですよねこれって。

氷村さんの教えてくださったことを踏まえると、この「音を届けるメカニズム」って云うのは、頭蓋に物理的な振動を与えて骨伝導のしくみで内耳に伝わる音をつくる、と云うことのようです。意味のある音声を伝えることとも、逆にそこからなにかを読み取ることとも、まるきり関係なさそうです。
そこをどうしてつなげて考えるかなぁ、みたいな話なんですけどね。
by pooh (2008-07-20 05:31) 

pooh

> 黒猫亭さん

> 病的心理にリニアルに繋がっている

精神的な意味で「病的」と云うのはなにかしら相転移的なものが生じているわけではなくて、要するにある要素がデフォルメされて全体の傾向に影響を及ぼしている、と云うことなので、まさに「リニアル」と云ういいまわしが適切な部分があると思うんです。だれしもそちらに向かってしまうことがありうる、と云うことでもあるわけで。

その辺りの筋道がいくらか見えてしまうのも、ちょっとおっかないな、と思う理由のひとつですね。ぼくの場合。
by pooh (2008-07-20 05:44) 

pooh

> TAKAさん

> 降り注ぐ、重力波。

なんとなくJ・G・バラード的な情景かも、です。
by pooh (2008-07-20 05:48) 

技術開発者

こんにちは、 poohさん。最近忙しくて、あまりコメントを書く時間がとれないのでえらく、亀なコメントですけどね。

>消費者の論理とぶつかるところにしか企業の倫理と云うのは生じ得ないもののように思うので。このへん技術開発者さんの議論のスコープとも繋がってくるような。

悪徳商法批判をしていた頃に「商道徳は欲と二人連れで守るもの」なんて言っていたんですよね。商道徳を守るというのは、近視眼的には損なんだけど長期的には得になることなんです。どこかの企業伝説にこんなのがありました。米国の企業が「何名様に何々をプレゼント」ってな懸賞広告を出したのだけど、どこかで間違ってしまって、懸賞にかかる金額が10倍だったかの宣伝をしてしまった訳ね。普通なら「ごめんなさいミスしました」って広告を出して懸賞の当選の数なりプレゼントの金額を引き下げるんだけど、「お客に一度言ったことは変えられない」とその費用を捻出して当選者を出したという話ね。その話がいつかマスコミで話題になって「嘘をつかない会社」という信頼が高まったなんてね。

伊勢商人の格言に「三方良し」なんてのもありますね、「お客良し、お店良し、世間良し」なんて言いましてね。お客様が「良い買い物をした」と喜び、店も「売れて儲かった」と喜び、世間様にも何の問題もないという取引こそが最良の商取引ということね。

なんていうかな、商人が商道徳を守ると言うことには、長くて広い視点が必要なんですね。でもって、商人にその意識が失われている時って、実は買い物をするお客にも長くて広い視点がなくなり、世間にもなくなってる事が多いのね。

鶏と卵みたいな話だけどね。ダイコン売っている八百屋の大将も鯖を買うときは魚屋のお客さんなんですよ。自分はサラリーマンで直接お客に接しなくても、会社を通じて何かを作ったり何かを売ったりしているのだから、お客に何かを提供するという意味で働いている時は商売人で、その結果貰ったお足で今度はスーパーでお客をやっている。このつながりをどこかで表しているのが三方良しの「世間良し」なんじゃないかな。

by 技術開発者 (2008-07-23 12:45) 

pooh

> 技術開発者さん

どうもですね、やっぱり世の中商売に携わる人間が近視眼的になっているのかなぁ、とは思います。でも、それこそこれも消費者側の近視眼とセットになっているもので。

その辺、スローだのサステイナブルだのって付くマーケティング手法が、そのスローガン(と云うか商材としての価値観とか「ライフスタイル」)に較べて妙に性急なイメージがあるのともなんか共通したものを感じたりして。

> 「お客良し、お店良し、世間良し」

これ、商売人の醍醐味ですよね。で、この「世間良し」にはやっぱり情報の流通と云うのは欠かせなくて。
でも、それはやっぱり「従」の部分のはずで。どうもその辺り、やっぱりどこかいまの世間には違和感があると云えばあるんですよね。
by pooh (2008-07-23 22:19) 

技術開発者

こんにちは、poohさん。

 なんていうかな、確かに社会が複雑化しているので情報が無いとどうしても近視眼的になってしまうというのはあるんだけど、単に情報の有無ではないと思うんですね。情報を検索したり情報をスクリーニングしたりするソフトウェアに当たる部分、さらにいうとそのソフトウェアをカーネルの中に組み込んで常に動かすようにしているかどうかというOSの基本設計思想みたいな部分がうまくいっていない気がするんですね。

 江戸時代から続く会社の江戸時代からの家訓を集めた本を読んだことがあるんですけどね。非常に明確に「自分たちは存続し続けたい」という長期性への基本方針が示されているわけです。この基本は商売人よりも消費者にとって重要なものがあると思うんですね、「自分たちは安定して買い物をして生き続けたい」みたいなことを真剣にかんがえているかどうかなんですよ。

by 技術開発者 (2008-07-24 04:50) 

pooh

> 技術開発者さん

うぅむ。今度はぼくの問題認識のアスペクトに近づいてきたような。

商業はあるところの産物をほかのところに供給する機能なので、もともとそこに情報流通はつきものなんですよね。ただ、その部分がなんか突出してテクニカルに発展していて、意義が変わってきてしまっている側面がある。

> OSの基本設計思想

その辺だと思います。
気付いたらGUIしか見ない、見えないようになっているみたいな。「わかりやすさ志向」ですね。で、これは「わかりやすさ」を提供する側だけの話じゃなくて、「わかりやすさ」へのニーズを表明する側の問題でもあって。

> 長期性への基本方針

消費者と商売人は互いで互いを支えている存在なので、つねにGood Coupleにならざるを得なくて。片方が近視眼になれば、もう片方も同じ水準に落ち着くしかない。それが最終的に損か得か、みたいな話ですよね。

ぜんぜん違う部分なんですが、情報流通において相互の信頼関係がない場合にどれだけコストが膨らむか、と云うような種類の経験を最近したので、ちょっと変に身に沁みます。
by pooh (2008-07-24 07:50) 

Light

こんばんは。
このたびブログを休止することにしましたので、ご挨拶に伺いました。
「騒動」そのものは一筋縄ではいかないものでしたが、普段なら読もうとは思わなかっただろう類の(すみません^^;私にはレベルが高すぎるという意味です・・・)ブログの数々を知ることができたのは、大きな収穫だったと思っています。
今後は基本的にはROMに戻るつもりでいますが、こちらや黒猫亭さん、aliceさんのブログは、これからも楽しみに読ませていただきたいと思っています。
短い間でしたが、どうもありがとうございました。
by Light (2008-07-25 02:58) 

pooh

> Lightさん

またコメントをお寄せ下さい。
こんなところですので、居心地はお約束できませんが。

だれが正しいだの、だれと同感するだのと云う話ではなく、大事なのは都度振り返りながら大事だと思うことについて考え続けることだと思います(そのことを大事だ、と思う自分自身のことを含めて)。
by pooh (2008-07-25 07:43) 

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