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ルールと合理性 [世間]

giriyanさんの水商売ウォッチング裁判に興味深々と云うエントリを読んだ。

どうもなんか、プロフィールを見る限りこのエントリの内容そのものがポジショントークである可能性を否めない気もするのだけど。
両者の争いの発端は、「磁気処理によって水は活性化されるかどうか?」にあるようなのだが、水が活性化されるということ自体、水がどのような状態になったことを言うのかは、現状では科学的に解明できないようなのである。
活性化されるということ自体、水がどのような状態になったことを言うのかについては、定義の問題なので解明されるようなことじゃない気がするけど(科学的に定義、と云うのならまぁ分かるけど)。日本語の問題だけどね。
つまり、水を活性化するとは、UFOは存在するかとか、霊魂は存在するか、生命とは何かという次元の問題と同じだと感じる。
味噌もくそも一緒ですな。UFO論者と宗教家とスピリチュアリストと生命科学者がそれぞれ別の理由と動機で怒ると思う。
天羽氏は、1985年高校卒業とのことだから現在41歳くらいだと思うのだが(参照:apjとは何か?)、賢すぎるが故に科学は完璧だと思い込み、学んだ知識の範疇を超える事象に対しては、「間違っている。」という二者択一の判断しかできないのかもしれない。
科学は完璧だと思い込んでいなくても、ある事柄が科学的に「間違っている。」と云う主張をすることはできると思うのだけど、どうだろう。ある行為を「それは違法だよ」と指摘するのって、現行の法律が完璧だと思い込んでるからじゃないんじゃないのかな。
この裁判の根本的な原因は、水の特性評価法とか活性化された水の定義とかが不完全であるが故に起こったようなものである。ならば、これを機に、新たな水の特性評価法とか活性化された水の定義などを両者が協力して開発するといったことを考えるべきではないだろうか?
要はそのコスト(ってのは単純にかかるお金って話だけじゃなくて、関係者の手間とか各種リソースの手当とかそう云った部分も全部含めた)をどこで負担するのか、って部分で。ここの部分、言いだしっぺで受益者にあたる側が負担する、と云うルールにしておかないとえらいことになる、と云うのはちょっとした想像力があれば理解できると思う。直接関係してるかどうかは別にして、ここでちょっと朴斎先生の「角の三等分屋」への対処法に学ぶを連想したのでリンク。
それとも、延々と平行線をたどったまま不毛な子供の喧嘩のよう言い争いをして、また損害賠償訴訟などを起こして争い合うのだろうか?
どの訴訟を云っているのか分からないけれど、吉岡氏から天羽さんへの訴訟について云えば、起こされたほうのせいじゃねえべさ。

あさっての感想だけど、こう云うのを読むとルールってのは公平性を確保するためだけではなくて、経済的な合目的性を維持するためのものでもあるんだなぁ、とか考える。
タグ:ニセ科学
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giriyan

どうも、私のエントリーについての講評ありがとうございます。
ポジショントークではないかとの疑念を持たれているようですが、健康関連の仕事に携わるものですので、そうだと言えばそうかもしれません。

私の望むところは、活性化された水とはどのような特性を持つものなのかが、きちんと定義されその評価方法が標準化されることです。
そうすることで、様々な活水器の性能が同じ土俵の上で比較でき、消費者にとってもメリットがあるのではないかということです。
お客様から水や浄水器、活水器などに関する相談を受けたときに、標準化された評価基準・判断基準がないと、いったいどの製品が本当にいいものなのかはたはた判断に困る次第です。

私の経験にもとづく個人的な見解として、「水の特性は健康に大きく影響を及ぼす。」と思っているのですが、天羽氏は、「水が活性されることなどない。水で健康になることなどない。」と固持しておられ、あのような論調のサイトを公開しておられるために、多くの一般の消費者の方に間違った解釈を与えてしまっている訳で、私はそれを改善して欲しい次第です。

ま~、貴兄が天羽氏サイドに立たれる方であるなら、何を言おうと否定的な反応になるのかもしれませんが、、、。
by giriyan (2008-04-12 08:47) 

TAKESAN

今日は。

えっと、細かいですが、「興味深々」は、「興味津々」かと・・>poohさん

------

長文失礼します。

giriyanさんのエントリーに関しては、「気」についての記述が、ちょっとよく解らないです。
「気」が科学的に解明されていないのはその通りかと思いますが、その理由として、そもそも「気」という概念が、恐ろしく多義的に用いられている(きた)から、というのが挙げられるでしょう。

「気功水」というものに関する実験データが示されていますが、こういうものを見た場合、やはり、きちんと他の条件はコントロールされているか、とか、今までによく知られたメカニズムによって説明出来るのではないか、と考えるのが、科学として当然の順序であろうと考えます。

科学的には、詳細なメカニズムが解明されていなくとも、よく統制された実験で効果が確認されれば、それは知見として認められるでしょう。
ここでまず、実験計画が妥当か、という部分を検討するのが、第一の関門です。
次に、仮に効果が確認されたとして、それを、「気と呼ばれているものの効果」、とする際に、「気という概念をどう捉えるか」、という所の検討は欠かせません。それは、気という言葉を用いている人がどのような説明をしているか、とか、「気」を、科学的に検証出来て「現代科学の体系と矛盾しない」ブラックボックスであるときちんと認めているか、という所の考察を含みます。

結局の所、それまでに知られた概念で単純に説明出来るものならば、あえて気という概念を持ち出す必要が無いのですね。
ちなみに、いきなり気で説明する事に関して「非科学的」だ、と言うのは、特に問題では無いと考えます。何故ならば、科学的に充分認められていない知見をそう(「非科学」と)呼んでいるから、です。もちろん、気という言葉を出した瞬間に、詳細を検討する事無く全否定する人もいるでしょうけれど、私自身は、その考えには与しません。また、そういう否定の仕方をする人がどのくらいいるか、判りません。

それから、giriyanさんのエントリーに関して批判的にならざるを得ないのは、お書きの文章に、

▼▼▼引用▼▼▼
天羽氏は、1985年高校卒業とのことだから現在41歳ぐらいだと思うのですが(参照:apjとは何か?)、努力家であり賢すぎるが故に自分の知識は完璧だと思い込み、学んだ知識の範疇を超える事象に対しては、「それは間違っている。」という二者択一の判断しかできないのかもしれません。つまり、既存の理論を越えるような発想というものが生まれてこないんじゃないでしょうか? あるいは、今話題のアラフォー(40歳前後)なので、男に負けまいという意気込みがあのような論調なり性格を作り上げてしまったのかもしれません、、、(私自身、「水商売ウォッチング」のサイトを読み始めたころは、男の人が女性のような偽名を使って運営しているものだとばかり思っていました。)。
▲▲引用終了▲▲
こういうものが含まれているからですね。
(科学的な議論においては)私が知る限り、天羽氏は、二者択一の判断しか出来ない、という事は仰っていないです。
また、引用部の他の部分については、推測が過ぎるという印象です。まず初めの前提がよく吟味されていないのに、それを説明するために人格や性別を持ち出してくるのは、果たして妥当だと言えるでしょうか。

後、「天羽氏サイド」とか、そういう問題じゃ無いです。誰が言った事であろうが、妥当で無いと思った事は批判するし、妥当だと感じたら賛同する、それだけの話だと思います。議論の際に、○○サイド、というのを仄めかすのは、あまり誠実な態度とは思えないのですが、いかがでしょうか。
by TAKESAN (2008-04-12 14:57) 

EnzoRomeo

こんにちは。

まず、giriyanさんの言う(使われる)ところの「活性化」の定義が知りたいですね。多分、化学の授業で習った「活性化」とは似ても似つかぬ「オレ定義」の予感(悪寒)がしますが。
by EnzoRomeo (2008-04-12 15:31) 

pooh

> giriyanさん

いらっしゃいませ。

ぼくは基本的に「水商売ウォッチング」を支持するものですので、そちらの方向のバイアスはあり得ます。適宜引き算してください。
まぁもちろん、このエントリはそのバイアスに引きずられないように書いたものです。そのようにお読みいただけるかどうかは分かりませんが。

> 私の望むところは、活性化された水とはどのような特性を持つものなのかが、きちんと定義されその評価方法が標準化されることです。

そのためには、「水の活性化」とはどのようなことを示すのか、を共通認識として共有する必要があります。吉岡氏はこの用語を科学のフィールドで使用されるものとして取り扱われるべきものだとお考えのようなので、それは科学的な概念である必要があります。
もちろん、この用語を定義するのは、提唱した側の任です。

ある科学的な概念は、提唱者によって十全に説明されなければなりません。これは当たり前の話で、そうでなければ誰にも理解できない。十分な説明をしない理由を、吉岡氏は中小企業の現況に置いています。これは筋違いですよね。

> 個人的な見解として、「水の特性は健康に大きく影響を及ぼす。」と思っているのですが

それは「活性化」によるものですか?
by pooh (2008-04-12 22:54) 

pooh

> TAKESANさん

まぁ、giriyanさんの意図は「議論」にはないのかもしれませんし。
特に説明なく「経験にもとづく個人的な見解」を持ち出されるような方は、議論よりも放言を好む傾向が強い、と云うのが、ぼくの「経験にもとづく」判断です。
by pooh (2008-04-12 22:56) 

pooh

>EnzoRomeoさん

多くの場合ニセ科学の萌芽は、「オレ定義」が「現在認められている科学的な定義」と等価である、と云う考え方から発したりします。
by pooh (2008-04-12 22:58) 

apj

>今話題のアラフォー(40歳前後)なので、男に負けまいという意気込みがあのような論調なり性格を作り上げてしまったのかもしれません、、、

 これなんですが、私の3年乃至4年上の先輩までは、そういった意気込みが現実的に必要だったときいています。ところが、私の代とそれ以降でそういう意気込みが必要だったという話はほとんど聞きませんし、私自身も意識すらしたことがありません。
 どうも、私の上の世代3年位の間に、社会的環境が激変したとしか思えないのです。理由はよくわかりません。
by apj (2008-04-13 17:39) 

pooh

> TAKESANさん

あ、追加です。
ご指摘の誤字につきましては、もともと元エントリの標記に準拠したものだったんですよ。いま見たら直ってる(--; 。

引用された部分も削除されたようですし、いつでも随時エントリに修正を加えていく運用方針を採用されているようです。めんどうなのでうちはこのままにしておきます。
by pooh (2008-04-13 17:48) 

pooh

> apjさん

アラフォーと云う言葉、実は知らなかったんですよ(いずれにせよこう云う品のない略語は使いたくないくちなんですが)。とりあえず、あんまり関係ないですよね。
by pooh (2008-04-13 17:53) 

TAKESAN

今晩は。

 >ご指摘の誤字につきましては、もともと元エントリの標記に準拠したものだっ
 >たんですよ。
あ、そうだったのですか。リンク先の表記と違っていたので指摘したのですが、修正後だったのですね…。

私、世代とかで括るのって、凄く嫌なんですよね。目安にするくらいならいいかも知れませんけれど(ある程度の傾向はあるだろうから)。アラフォーって、私も初めて知りました。
by TAKESAN (2008-04-13 20:26) 

apj

 書き換えられちゃったみたいですね。
 私に対してネガティブな感想を持つこと、及びそれを表現することは全くかまわないのですが、件のエントリーは民事の裁判制度に対する別の誤解を招きそうなので、私の方でもエントリーを立てて書きました。
http://www.cm.kj.yamagata-u.ac.jp/blog/index.php?logid=8766

by apj (2008-04-13 22:43) 

pooh

> TAKESANさん

言及先タイトルとか引用文とかは基本コピペなんすよ。

ぼくは世代論は楽しいので好きなんですけど、他者に向ける矛としてはあまりに脆弱だ、と云うことは知っておく必要はあるかと思います。いくらでも恣意的な運用が可能ですし。
by pooh (2008-04-13 23:54) 

pooh

> apjさん

さっそく「よく読まない」方が登場して、FAQの「Q」をご担当されていらっしゃるようですが。
by pooh (2008-04-13 23:56) 

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