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Black Death [余談]

ぼくが20代のまんなかあたりの頃にけっこう出回っていたウォッカに、Black Deathと云う銘柄があった。いまでもネットでは買えるみたいで、河内屋さんのサイトには載っている。当時ガンズ・アンド・ロージズに在籍中だったスラッシュが愛飲していることでちょっと有名になって、ぼくもまぁ何本か呑んだと思う。

上にあげた河内屋さんのサイトへのリンクを見てもらえば分かるけれどラベルにはシルクハットを被った髑髏が描かれていて、まぁスラッシュが好んだ理由のひとつもそれだったみたいなんだけど(当時シルクハットと云えば、ねえ?)、こいつは口当たりが柔らかくてふつうにおいしかった。ちなみに当時ぼくはいろいろあってウォッカをハバナクラブの3年の次くらいに消費していて、近所の酒屋が1ダースほど在庫していたストリチナヤをひとつき足らずで呑みつくしたりしていたような(酒屋さんにとっては気の毒なことに、スピリッツ全般を値上げしたときも、ひとりで買い支えてる馬鹿がいるせいでストリチナヤだけは値上げできずに、最後にはストロワヤとの価格差が2倍近くになってたような)。

でもこのウォッカ、「水からの伝言」的には最悪の酒だよなぁ、とかふうにも思う。成分の半分以上を占める水分が四六時中ラベルに書かれた「黒死病」の文字としゃれこうべに晒されてるんだから。
きっと大量に呑むと身体に悪い影響が出るのだろうなぁ。当時のぼくでさえ一晩にボトル半分が限度で、それ以上呑むと体調に異常を来たしたり翌日に悪影響が生じたりしたような記憶があるし。
そう云えば冷凍庫に入れても結晶はできなかった気がする。まぁ多分これは40%のアルコールのせいだろうけど。
タグ:雑談
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桃屋

笑わせてもらいました>「水からの伝言」的には最悪の酒

私の好きな酒にアブサンってのが有りまして、このお酒も禁断の酒とか飲んだら幻覚を見るとか散々なことを言われています。
http://www.absinthebuyersguide.com/images/tabu55large.gif
パッケージもこんな案配ですし(´ー`)
こんな「悪いもの」に晒された酒なんて飲んだら体に悪い影響が出るのだ!なんていう「水からの伝言」的解釈は、コノ酒の愛飲者がピカソであり、太宰治もヘミングウェーも飲んでるよっていう事実をどう説明してくれるのかな。
なんて事を思いながら、久しぶりにアブサンを飲んでみたいと思う夜です。

by 桃屋 (2008-03-26 21:17) 

pooh

> 桃屋さん

ご無沙汰でした。

ぼくはアブサンと云うとボードレールを連想します(いや、ボードレールがアブサンについてなにか書いていたかどうかは思い出せないんですが)。なんと云うか「悪徳の香り」が濃厚に誘惑する酒ですよね。イメージだけで云えば、あとモディリアニとか。水で白濁させて呑むのもなんかエッチでいい。

凶悪なラヴェルの酒と云えば、ラッテ・リ・ソッチラと云うリキュールがあります。

http://image.www.rakuten.co.jp/bacchus-p/img10172175063.jpeg

なぜか名前が「継母の乳」。75度あります。
日本では幻の酒らしくて、ぼくも1回しか呑んだことはありません(もちろんストレートで呑みました)。絶対に常飲する種類の酒ではないです。
by pooh (2008-03-26 22:26) 

hietaro

私はむしろ、江本氏が実際にそれをやってみて、「「Black Death」では結晶ができました」ということを言い出したらどうなるかを考えて、ちょっと恐ろしくなったり。

そうなると、「ペストは実は宇宙意志(^O^)に叶っているのだ」的な解釈が出てくるのは容易に想像ができます。それが主流になるかどうかは別として。

そういう場合、水伝を信じている人はどちらかを捨てなければいけないわけで、きっと全ての人が水伝の方を捨てるわけではないのだろうなあ……ああ勝手に憂鬱になってしまう。(^^;
by hietaro (2008-03-28 05:14) 

pooh

> hietaroさん

いらっしゃいませ。

ってえか水伝を受け入れるひとは、その時点で、「音楽の楽しさ」とか「悪徳の魅力」みたいなものを感じることを捨てているとか思うんですけどね。
by pooh (2008-03-28 07:43) 

hietaro

 こんにちは。

 ところが、私の友人のクラシックのミュージシャンは水伝をどっぷり信じてしまっていて、どうにもなあと思ってます。まあその人は結婚も占い師の言うとおり決めちゃった人なんですけど。(^^;
 やっぱりしかし、特に水伝の人は自分の信じたい部分だけピックアップして信じてるという印象はありますねえ。

by hietaro (2008-03-28 12:15) 

pooh

> hietaroさん

微妙ですねぇ。クラシックのひとの視野の持ち方って広げるよりも深めるほうに向かいやすいのかも。評伝とかからの印象ですが。
ただ江本氏も、どちらかと云うとクラシック畑に媚びるような著述が多いですからね。お、某脳科学者(笑)とおんなじだ。
by pooh (2008-03-28 22:53) 

mohariza

音楽(音)に関しては、まだ、「完全否定できてない」私ですが、絵・文字に関しては、「水伝」はおかしいと思っています。

poohさんの「Black Death」のラベルの例は、真を衝いていると思いました。

私は、「黒死病」の文字としゃれこうべに晒されてる」毒の酒を、平気で飲みますが…。宗教で「徳とされている高価な得たいの知れない液体(水?)」より良いのでは?また、例が悪いですが、「大作の口つけた飲み物」の回し飲みよりマシと思います。

伊勢田哲治氏の「哲学思考トレーニング」を読み出しましたが、
どうも「水伝」は、、「前提」(理由となる主張)<「水の結晶」が出来るとの現象という「事実」と称するもの>ありきで、話(論)が進み、
「結論」(主な主張)は、部分的には、良いことを云っていると思いますが…、個人的好みで個々の「結論」を導いている所も多く、結局、「新興宗教と同じ?」と思うようになりました。

もちろん「推論」(前提と結論のつながり)も問題で、その「推論」に科学的根拠があるのかが、問題と思うようになりました。
いろいろな方が言われている、反証の科学的実験の「無意味さ」も、やっと分かるようになりました。

宗教を信じる人には、いくら反証して、その根拠たる<推論>で正しても、聞き入れず、無意味のように…。
by mohariza (2008-03-29 03:08) 

pooh

> moharizaさん

まぁこのエントリ自体冗談ですし、この銘柄も冗談でブランド名をつけたんでしょうけど(でもけっこうおいしかったんですよ。呑んでいた当時は知りませんでしたが、わりと珍しい砂糖大根ウォッカらしいです)。

> 宗教を信じる人には、いくら反証して、その根拠たる<推論>で正しても、聞き入れず、無意味のように…。

たぶんこの「信じる」と云うことの意味合いにポイントがあるんじゃないかな、なんて思ってはいます。人間そのものがもともと合理的な思考をするようにできているわけではないので、その意味で宗教にも意義はあると思うんですよね。
by pooh (2008-03-29 06:43) 

mohariza

>「信じる」と云うことの意味合いにポイントがあるんじゃないかな

・・・確かに、宗教(信仰)と政治は、それを信じる人にとっては、他者に犯されたくない、その人の信念(生き方)だと思います。
それを「信じきる」という信念に(政治は少し別ものか、とは思いますが…、)行き着くと、そこから脱することは、己の自尊心自体を否定することに繋がると思います。
(政治に於いて、)作家なりが、牢獄の中で、政治転向せざるを得なくなるとの行為も、相当な覚悟(精神的苦痛)が伴ったと思います。

>人間そのものがもともと合理的な思考をするようにできているわけではないので、

・・・人間は、「信じる(又は、信じたい)」から「信じる」と思われ、「合理的な思考」のもとで、(全ての)物事を決めている訳では無いと思いますが、私(のような人間)は、「人間に合理性」を求めているので、(不合理な役人なりと)ぶつかってしまうようです。
「信じる者」はほっといて、「非合理な者」として扱う(接する)べきとは思いますが…。
by mohariza (2008-03-29 09:06) 

pooh

> moharizaさん

いや、「信じること」は「疑うこと」でもあると思うんです。合理的な筋道をもって「疑うこと」が「信じること」を支え、強化する。そのなかで、例えば宗教なんかは洗練され、意義のあるものとなっていくのかと思います。

いずれ、人間は不合理なものです。それは「基本仕様」なので、変わらない。「信じること」はその不合理性に立ち向かうにあたってのメソッドのひとつだと思いますが、そのことがそれゆえに「不合理」に行われる必要はないし、そのことそのものを端的に「不合理だ」と片付けてしまうのも違うのではないか、なんて考えたりします。
by pooh (2008-03-31 06:11) 

mohariza

丁寧なご返事有難ううございます。
確かに
>合理的な筋道をもって「疑うこと」が「信じること」を支え、強化する。
と、思われます。
>「信じること」は「疑うこと」でもある
とは、逆説的な言い方ですが、的を射っていると思います。
以上のことは、これからの私の生き方の指針とさせていただきます。

>いずれ、人間は不合理なものです。
・・・私も、人間は、矛盾を孕んだ、「不(非?)合理」なものと頭では分かっています。私自身の思考・行動等が、「不(非?)合理」なものだとも認識しています。

私が求めている「人間の合理性」は、権力者(権力をかざした役人等)で、一般人までは、要求はしていません。

権力者の「不(非?)合理」には、頭がきます。
権力者も、同じ「不(非?)合理」同士の人間だとして、その行為を、感情の対象から外すべきなのかもしれませんが…。
by mohariza (2008-03-31 07:11) 

pooh

> moharizaさん

> 私が求めている「人間の合理性」は、権力者(権力をかざした役人等)で、一般人までは、要求はしていません。

いや、だからこそぼくたち一般人の「合理性」が必要になるのだと思います。権力者の不合理に呑み込まれてしまわないためにも。
by pooh (2008-03-31 22:13) 

mohariza

>いや、だからこそぼくたち一般人の「合理性」が必要になるのだと思います。権力者の不合理に呑み込まれてしまわないためにも。

・・・一般人の「合理性」は、対権力者への抵抗の「論理」としては、必要だと思います。
しかし、「合理性」は、頭の中の論理では成り立っていますが、感情的、動物的人間に求めるのは、難しいと思います。
一般人の「不(非?)合理」に一々腹を立てていては、人間関係がギスギスしてしまいます。
by mohariza (2008-04-01 01:08) 

pooh

> moharizaさん

いや、腹を立てる、というより、どんなふうにその大事さを伝えていくことができるか、ということかと。
ぼくらにはブログもありますし、強い力は持てなくても、なにもできない、と云うことではないですよね。
by pooh (2008-04-01 07:41) 

技術開発者

こんにちは、 mohariza さん、pooh さん。

 「人間の基本仕様」なんてことを言い出したのは私みたいですから、少し説明させてください。例えば自動車に制動距離というのがあるというのは自動車の基本仕様ですね。制動距離は速度が上がるほど長くなるといのも基本仕様です。でもって、運転の教本には制動距離の事が載っていて「見通しの悪いところでは速度を落として運転しなさい」という運転の仕方が書いてあるわけです。ここで注意して欲しいのは、そのような運転の仕方をしても、基本仕様として制動距離があると言うことはなんら変わりが無いということです。ただ、その基本仕様から必然的に起きる「止まろうと思ってブレーキを踏んだのだけど車が止まりきれずに飛び出してきた子供を跳ねてしまったという事故を防ぐことができるだけです。

 人間の基本仕様として「不合理性」はあります。そしてそれは変えようが無いわけです。でも、「変えようが無いからそれで良い」とは人類はしてこなかったと思います。様々な文化の中に「合理性を大事にしようよ、自分たちは不合理な感覚に落ちこんでしまいやすいものなんだから、互いに注意して合理的に判断しようよ」という部分があるように思うわけです。実は宗教に関しても、多くの宗教が最初は現世利益的な面を出していながら、だんだんと世の中で練られているうちに「聖俗分離」を成し遂げていきます。つまり、「こういう教えは心の持ち様を示すもので、そういう心の持ち方をすることで得られるのは現実の利益ではなく、心の平安だよ」なんて形に変わっていく訳ですね。なぜ、そのような変化が生ずるのかを「人間の基本仕様とその運転教本」みたいな見方で考えてみて欲しい訳です。

by 技術開発者 (2008-04-01 08:28) 

TAKA

moharizaさん
>しかし、「合理性」は、頭の中の論理では成り立っていますが、感情的、動物的人間に求めるのは、難しいと思います

最初に自己紹介です。この私は、「おとぎ話と現実の区別が完全には出来ておらず、いまだに非合理な思考に支配されている、しかもブログ主の深い思慮を浅く見てしまう、粗雑な読者」です(^-^。

目下、正しい科学を勉強中です。ちなみに法律の方も、(少しだけ^^;)勉強しています。主に悪徳商法に関する法律です。というのも、口の上手い詐欺師に簡単に騙されそうで、不安だからです(^^;。

科学も法律も大変頼りになります。私のような感情だけで生きている者にとっては。早く合理的な思考を身に着けたいですorz。

moharizaさん
>一般人の「不(非?)合理」に一々腹を立てていては、人間関係がギスギスしてしまいます

私は他の人の文章で、気になった部分だけにコメントをするよう、心がけています。今現在さほど関心の無い事象にコメントを投稿する事は、ほぼ無いです。余計な論争を防ぐためです(^-^。今は、なるだけ時間を有効に使いたいと考えています(^^。

その代わりコメントを投稿する時は、時間を掛けて何度も推敲します。他の人が読んで、何かの参考になってくれれば良いな、と考えているからです。

もちろん時には手強い論客から、「こことここの部分、的外れにゃ。出直すにゃ」という趣旨の事を言われてしまい、落ち込む事も有りますにゃorz。しかしそれでも腹を立てずに、相手の意図を読み取って自論を再考し、思考を深めた上でまた、コメントを返します。( ^-^)mポチ

嫌だからです。「人の批判を糧にせず、ただ持論を繰り返し述べ、何時まで経っても成長出来ない己」を晒すのは。

ただし最近は、こうも思うのです。「合理的な思考を持てたら良いけど、おとぎ話を心から楽しめる人間にもなりたいな。その方が、より広い視野を持てそうだし。」

私はこれからも耳を傾けます。そこに合理的な思考を漂わせながらも、苔の生えた安楽椅子を蹴り飛ばし、おとぎの世界に身を委ねる怠惰を全く厭わない愚者が奏でる、その寂しげな旋律を。
by TAKA (2008-04-01 12:03) 

pooh

> 技術開発者さん

> 「変えようが無いからそれで良い」とは人類はしてこなかったと思います。

ここですよね。
by pooh (2008-04-01 22:26) 

pooh

> TAKAさん

> 合理的な思考を持てたら良いけど、おとぎ話を心から楽しめる人間にもなりたいな。

ご存知かと思いますが、ぼくはこの感覚に心から共感する者です。
そこここでけっこう誤解されがちですけどね。
by pooh (2008-04-01 22:28) 

技術開発者

こんにちは、皆さん。

> 合理的な思考を持てたら良いけど、おとぎ話を心から楽しめる人間にもなりたいな。

 なんていうか、私にとってこれが全然矛盾する事のないものなんですね。なんていうか、おとぎ話を心から楽しみたければ、心の中にきちんと「今はおとぎ話に浸る時」という認識を持たないと楽しめないんじゃないでしょうか?「こんなおとぎ話に浸ったら明日からの現実生活で自分の認識が狂ったらどうしよう」なんて不安に思っていたら楽しめない気がするんですね。

 私は「原始の時代の弓矢の工夫と狩りの祈り」なんてたとえ話をこさえましたけどね。現実に狩りの獲物が無いと飢えるのだから、工夫をするときには「こっちの矢は曲がっているから真っ直ぐ飛ばないのだろう」なんて、狩りの神様が矢のえこひいきをしているなんて事は考えずにきちんと合理的に考えて、その「やるべき事を全てやった」後で、今度は「狩りの神様、どうか獲物を授けてください」と一所懸命にお祈りをして出かけた、なんてね。弓矢の工夫の時には神様を棚に上げ、お祈りの時は合理性なんて棚に上げしてきた訳です。

 なんていうか、「合理的思考をしたらおとぎ話が楽しめない」という人は、人間が人間であるために必要なこういう「使い分け」という人間としての大事な能力を失い始めて居るんじゃないかなんて思うんですね。

by 技術開発者 (2008-04-02 09:33) 

pooh

> 技術開発者さん

おとぎ話、と云うのは、根本的にとてもロジカルにできていますものね。ファンタスィにしろ、そうでないものは届かない。不合理から出発していても、人間の呪術性と云うものはやっぱりそれ相応の筋道を求めるし、そこがちゃんと通っているものがやっぱり届くんですよね。

すぐ「指輪物語」を引き合いに出しますけど、以降のファンタスィに登場するほとんどの魔法使いの原型になった(杖とかとんがり帽子とか髭とか)灰色のガンダルフは、実際にはほとんど魔法を使いません。彼のミッションは、そんな力では満たせないからです。そう云うことでもあると思います。
by pooh (2008-04-02 22:10) 

TAKA

poohさん
>誤解されがち

良く分かります。語り口が辛口ですから。私も最初に見かけた時は、近寄りがたいなあと思っていました(^^。今は、新しい記事を読むのを楽しみにしています。

ところで、つい最近まで「アブサン」を、「酒豪を指す言葉」だと思っていましたorz。酒の名前だったとは知りませんでした。黒死の酒も。二つとも、なんだか危くて、飲んだら散々な目に遭いそう(^^;。
by TAKA (2008-04-04 09:30) 

pooh

> TAKAさん

> 語り口が辛口ですから。

そうですかねぇ。

> 飲んだら散々な目に遭いそう(^^;。

アブサンは、たぶんたくさんは呑めません。
黒死病の酒は口当たりがいいので、むかしはたくさん呑んでひどい目にあったりしました。ウォッカでひどい目に遭うことなんてそんなにないんですけどねぇ。
by pooh (2008-04-04 22:00) 

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