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性善説 (「ブログ炎上」伊地知晋一) [ひと/本]

これも本が好き!でいただきました。

ブログ炎上 〜Web2.0時代のリスクとチャンス

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書評/IT・Web

意外と手軽そうな装丁。でも「CGMマーケティング 消費者集合体を味方にする技術」をお書きの伊地知さんであることもあるし、でも表紙は早乙女ケイ子だし、などなど思いながら読み始める。おおぉ、つるつる読める。「CGMマーケティング」のときも思ったがこの方の文章はじつに読みやすい。

結局のところ、サブタイトルにもあるように著者は炎上と云う現象をけしてネガティブな一面だけでは捉えていない。このことは、CRM絡みの仕事をしたことのあるぼくにはとても納得できる。「最大のクレーマーは最大のロイヤルカスタマーになりうる」のだ。もっともそのためには注意深くタイトロープを、「誠実さ」だけを水準器にして渡る必要が出てくるけれども。

炎上はこわい。こんな泡沫ブログを炎上させても面白くなかろうから日頃はそんなに気にしていないし、おかしな人間が来てもそれが個人ならどうと云うことはない(面倒ではあるけれど)。でも、ブログをビジネスでやろうとすれば、そうそう気軽に考えられるものでもない。いや、炎上時にとるべき振る舞いははっきりとこの本にも書いてあるし、そうすべきなのだ。でも、それができるか。

インターネットは、そもそも性善説で成り立っている。それもぎりぎりで。
それを信じて、誠実さを維持することが、実際は一番のリスクヘッジだったりするのだ、と思う。

実は、この本に書かれていることをなにがしかの実感を持って読めないひとに、ここに書かれていることがちゃんと伝わるのか、がよく分からなかった。日頃実際のブログの炎上をウォッチしていたり、実際に燃やす側にいたりすれば、ここに書かれていることは漠然とした感覚の綺麗な言語化として読めるだろう。でも、そこで腑に落ちないひとに、どれだけ伝わるのか。果たしてこの本は、ぼくたちみたいな(多少はすれっからしの)ネットワーカーに向けて書かれたものなのか、それとも「炎上」と云う言葉自体を知っているような層に向けて書かれたものなのか。

その辺り、多少の懸念はある。
でも、端的に云ってこれだけ分かりやすく、網羅的かつ明解に書かれているのはさすがだと思うし、なによりも巻末の3つの対談がすばらしい(なんと云う的確な人選!)。全体としては、やはり読む価値のある本だと思う。実質1時間弱でちゃんと読めて内容も理解できるのも素敵だ。


タグ:書評 ネット
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