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仙台の本屋(8)萬葉堂鉤取店 [近所・仙台]

実際のところ今回の項目もこのシリーズとしてはどちらかと云うと番外。まず、近所じゃない点(車で20分ほどかかる)。それから、古書店であるという点。でも久しぶりに行ったので取り上げてみる。

萬葉堂は古書店のチェーンで、ぱっと思いつく範囲で仙台市内に3店舗展開している。もちろん仙台にはブックオフもいくつもあるんだけど、前回持ち出した書店の「フロー型」「ストック型」の分類から行くとブックオフはもちろんフロー型で、対して萬葉堂をはじめとする旧来型の古書店はストック型といえる。

もともとうちの近所は今年100周年をうたうどっかの大学のお膝元となる文教地区で、この辺りには古本屋がたくさんあったのだけれど、その多くはもう閉店してしまっている。でもそのなかでも萬葉堂は教科書需要を支えてきた老舗と云うこともあってか、複数店舗展開をしたまま頑張っている。実はここの本店はうちから徒歩5分程度のところにあって、こちらを取り上げればカテゴリエラーにもならずにすむのだけれど、実際のところもはや教科書を買う身分でなくなってもう長い時間が経過しているぼくとしては本店にはあまり用がないのだった。

残りの2店舗、鉤取店と泉店はこれはもう見事なストック型の古本屋さんだ。なんてったって「探せばある」気がする。新刊を取り扱っていてもTSUTAYAなんかどうやっても「欲しいものは絶対にない」気しかしないのとは対照的である。もっともこれは「どんな本を探そうとするのか」と云う個人個人の傾向の違いでしかないのかもしれないけど。

で、この萬葉堂。本店を別とすると、残りの2店舗はいずれも2フロア展開。入り口付近はまぁブックオフと変わりがない流行りものを陳列するコーナーになっているけど、少し奥に入って文芸書のハードカバーが並んでいる辺りからなんだかそろそろパラダイスだ。市内の新刊書店ではどこに行っても絶対手に入らないような本が並んでいる。感覚的に市立図書館の書架の間をたゆたいながら拾い読みをして歩く感じに近くなる(いい歳になってそう云う妙な趣味を持っているのもどうかとも思うけど)。学術書とか美術書のあるようなコーナーまで入り込むともういけない。
欲しいほしい。買う金ないけど欲しい。買ってもどうせ読む時間なんかありゃしないんだけど読みたい。椎名誠ふうに書けばじっとり、ねとねととあやしい欲望に駆られてしまうわけだ。この辺りになるともう当初の目的も何もない。

とまぁ、1階のフロアだけで充分に血走った目になっているのだけど、さらにその奥があるわけだ。鉤取店で云えば地下。ここに足を踏み入れるには、踏み入れるたびに毎回店員さんへの申告が必要になる。

薄暗い片隅にある階段を下る。古書店特有のちょっと饐えたような臭いのする、すこしひんやりした、なんとなく身体が痒くなるような空気。

で、降りた先は魔窟である。もうそりゃ。

などと満喫しつつ、もともと探しに行ったものとは結局違う本を3冊ほど購入。なかには平凡社新書の最新恐竜学も(corvoさんごめんなさい。急に読みたくなって、実は近所の書店2軒を探し回ったんだけど置いてなかったんです)。

あぁ、でも楽しかった(何しに行ってるんだか)。


タグ:仙台 本屋
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コメント 2

まり

鉤取店なつい!
2015年現在まだ営業してるんでしょうか?
学生時代、延々とバスに揺られて行って地下室に潜航するのがバイト代出たときの楽しみでした。
by まり (2015-03-27 23:30) 

pooh

> まりさん

いらっしゃいませ。
じつは震災後、行ってみてないのです……
by pooh (2015-03-28 06:23) 

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