SSブログ

善意を理解するために [よしなしごと]

日経Business Onlineの宋文洲さんのコラムは結構愛読しているのだけれど、今回の「捨て子の少女の死と、脱・格差社会のもと」と云うコラムには少し複雑な気分になった(ちなみに日経BPのコラムなので、すぐに会員専用になって、会員以外には読めなくなるかも知れない)。

30を過ぎた頃から加速度的に涙腺が緩くなった。本当に、なんと云うか感情失禁的に視界がぼやけてくるのだ。このコラムも、会社で昼休みに読んでいて、ちょっときわどいところまで行った。

本当に悲しい、でも素敵な話だ。だけど、思うのだ。

 目の前が真っ暗になりながら、お父さんは親戚と友人の元に出向き、借りられるだけのお金を借りました。しかし、必要な治療費は30万元。日本円にして 400万円です。中国よりずっと裕福な日本でも、庶民にとっては大金になるような治療費を、中国の農民がどうにかできるはずもありません。集めたお金は焼け石に水でした。

 かわいい我が子の治療費を集められない心労からか、日々痩せていくお父さんを目にして、少女は懇願しました。「お父さん、私、死にたい。もともと捨てられた時に、そのまま死んでいたのかもしれない。もういいから、退院させてください」と。

彼女がこれほどいい子でなかったとすれば、果たして彼女のためにこれだけの募金が集まっただろうか(彼女はその境遇から考えると信じられないほど健気ないい子だ)。いい子だから募金が集まった、って考えると、善意って何だろう。

——って、そもそもこう云うことを考える人間はもう駄目なのかも知れんけど。


タグ:社会科学
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました

関連記事ほか

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。