SSブログ

ニセ科学を信じるSideA [世間]

J2さんの音極堂茶室でも有意義な議論があった「水からの伝言」の反証実験議論だけど、実はこの部分についてはすっきりと理解していなかった。そこに今日、XMLエバンジェリストの檜山正幸さんのこのエントリを読んで、なんだかよく分かった。
不正確な翻案かもしれないけど、つまりはこう云うことだろう。

あなたは「水からの伝言」に感動して、信じている、としよう。
「水からの伝言」を信じている、と云うことは、現在の科学を信じていない、と云うことだ。「水からの伝言」の語っていることは科学が進歩した延長線上にあるものではなく、それを根本から否定するものだからだ。

水、に限ろう。

あなたは例えば、ダムの近くに住むべきではない。ダムは科学的な強度計算によって成り立っている。しかし、その計算根拠を、あなたは否定しているのだ。つまり、「水からの伝言」に真実が含まれているとすれば、あなたの安全は誰も保証してくれない。ダムが決壊しないのは決壊しないよう作られているからではなく、偶然、と云うことになるからだ。
防波堤の近くや、川堤の近くにも住むべきではないだろう。

あなたは水道水を使うべきではない。日本の水道水は化学的に処理され、飲んでも安全なものとして供給されている。しかし、その処理をあなたは否定している。水源の近くに悪意を持つものが住んでいないとは限らない。あなたは、決して安心して水道水を使うことはできないはずだ。
ちなみに、信心深い人々が住み、スピリチュアルなニュアンスにあふれているバリ島の水道水が飲めないことを、あなたはご存知だろうか。

下水処理場の近くには近づいてもいけない。下水処理場の化学的な処理では、水を浄化することはできないはずだ。下水処理場では、多くのひとが全力で汚水に向かって感謝の意を表明していないといけないはずだが、そんな光景は全国のどこにもないだろう。

あなたの生活は、いろいろな科学の恩恵を受けて成立している。それを「水からの伝言」は否定しているのだ。

ポエムで、ファンタジーなのだから、構わないだろうって?
少し大声を出させて頂く。
ポエムやファンタジーを侮蔑するのもいい加減にして欲しい。文芸はあんな粗雑なものではない。


タグ:ニセ科学
nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(2) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 2

JUN

はじめまして、こんにちは。
kikulogから飛んできました。
揚げ足取りのつもりではないのですが、下水処理場に勤める者として、少し誤解があるようなので訂正させて下さい。
下水処理場は生物学的な処理がメインです。
微生物たちの汚濁に対する酸化分解が下水をキレイにしています。
生物の働き(腐敗や消化に伴う分解)は、化学式で表せる物ですが、そういう意味でpoohさんは下水処理場を化学的な処理とおっしゃったわけではないでしょうから。
ただ、消毒に関しては水道と同じ塩素を使うケースが殆どですので、これは化学的処理と言っていいでしょう。
このことは、この項の内容の本筋ではないので違うからと言って問題ありませんが、下水処理に関わっているものとしてコメントさせていただきました。
このブログやkikulogでの活躍を拝見させていただいていつも陰ながら応援しております。

蛇足ですが。

もし、下水処理場の周りの方の下水処理場に対する悪感情が下水処理に悪影響を与えていたら、こちらの努力が無駄になるのでイヤすぎです。
それから考えても「水からの伝言」は私にとってとんでもないですね。
by JUN (2007-02-10 15:45) 

pooh

> JUNさん

ご教示ありがとうございます。生物学的な処理、なんですね。知りませんでした。でも、より高度に「科学的」ではありますね。
ご指摘の通り、よく調べないで書いたエントリでした。今後も間違っている部分があったら、ご指摘いただけると嬉しいです。

一生懸命考えて工夫していることが恣意的な「愛と感謝」に負けたらいやですよねぇ。
by pooh (2007-02-10 22:42) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 2

トラックバックの受付は締め切りました

関連記事ほか

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。