モーツァルトの価値 [世間]
昨日つらつらとこんなことを書いたけど、そのあとこんなエントリを読んだ。
TONOSANさんのブログは示唆に富んでいて、しかも表現に向かうスタンスの素直さと率直さが素晴らしくて、愛読しているのだ。
モーツァルトが素晴らしいのは、ネガティブな感情を前向きな音楽という結晶に置き換えたからです。
まったくだ、と思う。その凄さはぼくにも分かる。
でも、それは音楽と云うクリエイティブとして、と云う話だ。
個人の姿勢についての示唆にはなっても、またクリエイターとしての姿勢の示唆になっても、そのことを(だからこそ)道徳的な絶対基準の提示に利用するのは卑怯な行いだ、と思う。(1)
(1)
もちろん、TONOSANさんがそう云う事を云っている、ということではないです。当たり前。
トラックバックとリンク、ありがとうございました。表現に向かっては素直でありたいと思っているので、最高の褒め言葉をいただいて嬉しいです。
7日のエントリーも拝見しました。ものすごくよくわかります(笑)特に次のような部分です。
>聴いていて嘲笑われているような気分になる事がある
たぶん天才って、どこか凡人を嘲笑するようなところがあるのではないでしょうか。そしてあまりにも明るすぎる音楽は、ときとして気分を苛立たせる気がします。自己主張が強すぎて、食傷気味になる感じでしょうか。もうちょっと静かで控えめな音が聴きたいんだ、と思ってしまいます。
ぼくはやはり悩みとか暗さとか、影の部分や人間の弱い部分に共感したりするので、作品にもそういう部分がちらりとみえたほうがいいですね。そしてまさに「道徳的な絶対基準の提示に利用するのは卑怯」というのもわかります。すべてのマイナスをプラスに転換できるほど、人間は簡単なものではない気がしました。
またブログを時々拝見させてください。
by tonosan (2006-12-09 01:19)
> TONOSANさま
コメントありがとうございます。
モーツァルトの音楽にはどこか地上の人間が書いたものではないように感じさせる部分があって、そこが超越者(水だったり世界意思エネルギーだったり)のイメージに繋げやすいので、スピリチュアル稼業の方々には使いやすいのかな、なんて思ったりします。
世代的にはオリジナルパンクの尻尾ですので、ぼくは「人間が造った」匂いのする音楽が好きです。例えばキューバやブラジルの音楽みたいに、からりと晴れた明るさの底に深い悲しみが沈殿しているようなものもありますけど、きっとその悲しみが明るさを素敵なものに感じさせているような気がします。
by pooh (2006-12-09 07:23)
はじめまして、トラックバックもさせていただいたのですが、やはりモーツァルトはいいですよね。どんな人間だったかということについては、「モーツァルトの手紙」でも感じ取れますが、その作品の数々を聴くだけでも十分伝わってくる気がしますね。
by (2006-12-15 22:16)
たーぼさま、はじめまして。
ええと、このエントリの元記事でも書いたのですが、個人的にはあまりモーツァルトは得意ではないのです…
by pooh (2006-12-16 06:30)